李在明韓国大統領、日本への認識変化を語る:「明るく、つつましく、勤勉」な国民性への言及と日韓文化交流への期待

韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領(60)は、読売新聞の単独インタビューに応じ、日本人に対する自身の印象について「明るく、つつましく、勤勉だ」と述べ、過去の認識から大きく変化した考えを明かしました。この発言は、かつて日本に対して厳しい見解を繰り返してきたことで知られる李大統領の対日観の変遷を示すものであり、今後の日韓関係の進展に新たな示唆を与えています。

過去の認識と訪日経験による変化

李大統領は、自身が「日本に対して良い印象を持っていなかった時期もあった」と過去を振り返りました。しかし、弁護士時代に日本を訪れた際、人々の明るい表情、謙虚な態度、つつましく勤勉な姿勢、そして風光明媚な景色に直接触れたことで、「考え方が全く変わり、イメージが全く逆に変わった」と語っています。この個人的な経験が、李大統領の対日観を劇的に転換させた重要な契機となったようです。これまでに数回日本を旅行し、神奈川県の箱根などを巡った経験がある一方で、東京都心を訪問したのは今回の来日が初めてであることも明かしました。

ソウルでの読売新聞単独インタビューに応じる李在明韓国大統領の様子ソウルでの読売新聞単独インタビューに応じる李在明韓国大統領の様子

徳川家康から学ぶ政治哲学

李大統領の日本に対する理解は、歴史上の人物からも深まっているようです。特に印象に残っていることとして、数年かけて徳川家康に関する書籍を読み切った経験を挙げました。戦国時代の混乱期から長い平和が訪れるという家康の物語に触れることで、「日本についての理解が進んだ」と語り、その「辛抱強さ」を高く評価するようになりました。さらに、「政治の世界で教訓として活用できることが多い」と述べ、家康の統治哲学から自身の政治活動への示唆を得ていることを示唆しました。

日韓関係深化への期待と文化交流の重要性

李大統領は、日本文化が持つ「相手を尊重し、共同体に貢献しようとする」姿勢から学ぶべき点が多いと強調しました。また、日韓両国の「文化的な交流が活発になり互いに理解し合えば、有用な結果をもたらすことができる」との見方を示し、文化交流の拡大が二国間関係の深化に寄与することへの強い期待を表明しました。この発言は、文化的な相互理解が政治・外交関係の改善に不可欠であるという認識を示しており、未来志向の日韓関係構築への意欲が伺えます。

李在明大統領の今回の発言は、日韓両国の間に存在する様々な課題に対し、個人的な経験と深い歴史理解を通じて前向きな姿勢で臨む意図を示していると言えるでしょう。文化交流を通じた相互理解の深化が、今後の日韓関係をより建設的な方向へ導く鍵となることが期待されます。

参考文献

出典: 読売新聞オンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/c2c7bcfea097d1291153901122c7d8c7b02d7225