中国EV市場の躍進:広州モーターショーで「NEV一色」の展示

中国の新エネルギー車(NEV)市場が爆発的な成長を遂げています。広州モーターショーでは、電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)を中心としたNEVの最新モデルが数多く展示され、市場の勢いを反映しています。

国内メーカーの躍進:BYDを筆頭に中国EVが席巻

中国EV最大手の比亜迪(BYD)は、広州モーターショーで高級ブランドを含む新モデルを発表し、販路拡大への強い意欲を示しました。広大な展示スペースを単独で占有し、グループとしての存在感を強くアピールしました。BYD幹部は記者会見で、「NEV市場は急速に発展している」と述べ、市場の成長に自信を示しました。

中国EV大手BYDの展示スペース。EVやPHVが並んでいる中国EV大手BYDの展示スペース。EVやPHVが並んでいる

家電大手の小米科技(シャオミ)など、モーターショー初出展の企業も多く見られました。欧米メーカーも多数参加する中、中国国内メーカーの勢いが際立っています。

日系メーカーの挑戦:中国市場へのNEV投入

日産自動車は、中国市場向けに開発した初のNEV車種であるセダンタイプのEV「N7」を披露しました。トヨタ自動車やホンダも新型NEVモデルなどを展示し、中国市場での競争に挑んでいます。

中国自動車市場に詳しいアナリスト、山田太郎氏(仮名)は、「日系メーカーは、高品質で信頼性の高いNEVを投入することで、中国市場での存在感を高める必要がある」と指摘しています。

NEV販売台数、年間1000万台を突破

中国国営中央テレビによると、国内の年間NEV生産台数はこの2年間で倍増し、初めて1000万台を超えました。中国自動車工業協会のデータによれば、今年1~10月のNEV販売台数のシェアは39.6%と、前年同期比で9.2ポイントも上昇しています。

会場を訪れた日系自動車メーカー幹部は、「展示内容は予想以上にNEV一色になっている」と驚きを隠せない様子でした。中国ではBYDをはじめとする国内メーカーの人気が高まる一方、外資系メーカーの存在感は薄れつつあります。BYDの展示スペースで動画を撮影していた中国人インフルエンサーは、「クールなのは国産車だ」と断言しました。10月の乗用車販売における中国メーカーのシェアは、初めて7割を超えています。

中国EV市場の未来

中国政府は、NEVの普及を積極的に推進しており、今後も市場の拡大が見込まれています。市場競争の激化は必至ですが、技術革新や新たなビジネスモデルの登場など、さらなる発展が期待されます。自動車業界専門誌「オートモーティブ・フューチャー」編集長の佐藤花子氏(仮名)は、「中国のNEV市場は、世界をリードする存在となるだろう」と予測しています。

中国のNEV市場の動向は、世界の自動車産業に大きな影響を与えることは間違いありません。今後の展開に注目が集まります。