トランプ次期大統領が国防長官に指名したピート・ヘグセス氏。FOXニュースの司会者としても知られる同氏ですが、この人選をめぐり、資質を疑問視する声が噴出し、波紋が広がっています。本記事では、ヘグセス氏をめぐる議論の背景、過去の疑惑、そして今後の展望について詳しく解説します。
ヘグセス氏の経歴と国防長官指名への批判
元陸軍州兵で保守系ケーブルテレビ局FOXニュースの司会者であるピート・ヘグセス氏。イラクやアフガニスタンでの従軍経験を持つものの、政府や軍の要職に就いた経験はありません。トランプ次期大統領は、そんなヘグセス氏を国防長官に指名しました。しかし、この人選には、民主党のみならず、共和党内からも批判の声が上がっています。
ピート・ヘグセス氏(左)とトランプ次期米大統領
ヘグセス氏は、米軍内の人種や性別の多様性を批判し、女性の戦闘参加に反対の立場を表明しています。また、黒人で制服組トップのブラウン統合参謀本部議長の解任も要求しており、これらの発言が物議を醸しています。
過去の性的暴行疑惑と身辺調査の不備
複数の米メディアによると、ヘグセス氏は2017年に西部カリフォルニア州で性的暴行容疑で捜査を受けていたことが明らかになりました。警察は刑事訴追には至っていませんが、トランプ氏側はこの疑惑を把握していなかったと報じられています。
身辺調査の不備も指摘されており、トランプ氏の首席補佐官に指名されているスーザン・ワイルズ氏もこの件について説明を受け、ヘグセス氏に問い合わせを行ったとのことです。ヘグセス氏の弁護士は疑惑を否定していますが、この問題は大きな影を落としています。
白人至上主義との関連が疑われる入れ墨
さらに、ヘグセス氏には白人至上主義との関連が疑われる入れ墨があったことも問題視されています。同僚の兵士からは「内部の脅威」だと指摘されたこともあり、国防長官としての適格性に疑問符がつけられています。
今後の展望と上院での承認
ロイター通信によると、複数の国防総省幹部はヘグセス氏の資質に疑問を呈しており、民主党内からは上院での指名承認を拒否すべきだという声も上がっています。共和党内にはヘグセス氏を支持する声もありますが、今後の展開は予断を許しません。
国防長官は国家安全保障の要職であり、その資質は極めて重要です。ヘグセス氏をめぐる議論は、アメリカの国防政策の行方を左右する可能性も秘めています。今後の動向に注目が集まっています。