台湾研究フォーラムや在日台湾同郷会などは6月29日、JR池袋駅前(東京都豊島区)で、台湾について日本の学校教科書が「中国の領土」などと表記していることに対し、訂正を求める署名活動を行った。台湾からの旅行者や若者らが署名に応じていた。
1972年の日中共同声明では、日本政府は「台湾が中国の領土の不可分の一部」とする中国政府の立場について、「承認」ではなく「十分理解し、尊重」すると表明している。
メンバーらは「台湾の島は国際法上、中国の領土ではない。日本政府も台湾は中国の領土と承認していない」と強調し、「台湾を中国の領土というのは台湾侵略を正当化するための中国共産党のプロパガンダに過ぎない」と訴えた。
日本政府の対応については「中国に迎合し、政治的な配慮を行い、教科書発行会社に対して『台湾は中国と記載せよ』としている」と問題視した。
請願事項は、文部科学省に対し、①台湾を中国領土とする誤表記の訂正勧告を教科書発行者に求めること②台湾は中国に隷属しない民主主義の地域との現状を児童・生徒が理解できるよう促すこと─を求めている。
同フォーラムなどは平成19年頃から署名活動に取り組み、文部科学省に署名を提出。令和3年頃に再開し、来年の通常国会で衆参両院に請願する方針という。(奥原慎平)