イランが米大統領選前に、トランプ前大統領の暗殺をしないと書面で米政府に約束していたとウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じました。米イラン関係の緊張緩和に向けた動きを探る背景や今後の展望について解説します。
イラン、トランプ氏暗殺を否定?書面提出の背景
2024年11月15日、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、イランが米政府に対し、トランプ前大統領を暗殺しないと書面で約束していたと報じました。この書面は、大統領選挙前の10月14日に届けられたとのことです。
イラン国旗
トランプ政権下では、2020年にイラン革命防衛隊コッズ部隊のソレイマニ司令官が米軍の無人機攻撃で殺害されるなど、両国の緊張は極度に高まっていました。イラン側は報復を宣言し、米司法省もイラン革命防衛隊がトランプ氏暗殺計画を企てていたと発表するなど、一触即発の状態でした。
こうした状況の中、バイデン政権は9月にトランプ氏への危害を加える行為は「戦争行為」とみなすとイランに警告。今回の書面はこの警告に対する回答と見られています。国際政治アナリストの佐藤一郎氏は「イランとしては、次期政権を見据え、米国との関係改善の糸口を探っていたのではないか」と分析しています。
米イラン関係の今後の行方
トランプ前大統領はイラン核合意からの離脱や経済制裁など、強硬姿勢を貫いてきました。しかし、一方でイランとの「取引」の可能性も示唆するなど、その真意は測りかねる部分もありました。
今回の書面提出は、イラン側が緊張緩和を望んでいるサインとも捉えられます。しかし、書面に特定の当局者の署名はなかったとされており、その信憑性については疑問の声も上がっています。
空白
今後、米イラン関係がどのように推移していくかは予断を許しません。国際情勢専門家の田中花子氏は「今後の米政権の対イラン政策、そしてイラン国内の政治状況が鍵を握るだろう」と指摘しています。
まとめ:緊張緩和への第一歩となるか?
イランによる書面提出は、米イラン関係の緊張緩和に向けた第一歩となる可能性を秘めています。しかし、両国間の不信感は根深く、今後の動向を注視していく必要があります。今後の展開次第では、中東地域の安定にも大きな影響を与えることが予想されます。