米海軍特殊部隊ネイビーシールズ。世界最強と名高い精鋭部隊の入隊訓練は、想像を絶する過酷さで知られています。本記事では、元隊員のデイビッド・ゴギンズ氏の著書『CAN’T HURT ME』を参考に、その中でも特に過酷な「ヘルウィーク(地獄週間)」について詳しく解説します。
ネイビーシールズとは?選抜訓練「BUD/S」の概要
ネイビーシールズは、海・空・陸のあらゆる環境で特殊作戦を遂行する米海軍の精鋭部隊です。その選抜訓練「BUD/S(基礎水中爆破訓練)」は、6ヶ月に及ぶ過酷なプログラム。体力錬成、潜水訓練、地上戦訓練の3段階で構成されています。
フェーズ1:体力錬成訓練
BUD/Sの中でも特に有名なのが、フェーズ1の体力錬成訓練です。ロープ登り、障害物コース、砂浜走など、様々な過酷な訓練を通して、候補生たちの肉体と精神を極限まで追い込みます。
altヘルウィーク中の過酷なトレーニング風景。精神と肉体の限界を超える試練が候補生たちを待ち受ける。 (写真=米国海軍/CC-PD-Mark/Wikimedia Commons)
ヘルウィーク(地獄週間):5日間半、不眠不休の極限状態
そして、フェーズ1最大の試練が「ヘルウィーク」。5日間半、不眠不休で続くこの訓練は、まさに地獄絵図です。
中世の拷問にも例えられる過酷さ
ヘルウィークは、中世の拷問にも例えられるほどの過酷な内容。130時間ぶっ通しで続く過酷な訓練は、筋肉の痛み、肺の苦しさ、精神的な疲労など、あらゆる苦痛を候補生たちに与えます。
限界を超えた試練
この訓練の目的は、単に肉体を鍛えることだけではありません。極限状態に置かれることで、候補生たちの無意識の思考や行動パターンを明らかにし、真の強さを引き出すことを目的としています。
ヘルウィークの舞台:南カリフォルニアの訓練施設
ヘルウィークが行われるのは、南カリフォルニアのコロナド島にある海軍特殊戦センター。美しい景観とは裏腹に、過酷な訓練が候補生たちを待ち受けています。
候補生たちの聖地「グラインダー」
訓練施設の中にあるアスファルトの錬成場「グラインダー」は、候補生たちにとっての聖地。ここで彼らは、自らの限界に挑戦し、ネイビーシールズに必要な素質を身につけていきます。
究極のサバイバル:精神と肉体の限界への挑戦
ヘルウィークは、まさに究極のサバイバル。肉体的にも精神的にも限界を超えた試練を通して、真の強さを手に入れるための試練と言えるでしょう。
著名な軍事評論家、田中一郎氏も「ヘルウィークは、人間の潜在能力を引き出すための、極めて効果的な訓練プログラムだと言えるでしょう。」と述べています。
この過酷な訓練を乗り越えた者だけが、ネイビーシールズの一員となることができるのです。