伊東市の田久保眞紀市長(55)に対し、学歴詐称の疑いが指摘されており、これを受けて市役所には市民からの苦情が殺到し、対応に追われている。
今年5月の伊東市長選挙で初当選した田久保市長を巡る疑惑は、6月上旬に市議会議員全員に送付された文書から始まった。この文書は、当選後の広報誌に掲載された市長の学歴「平成4年東洋大学法学部卒業」が偽りであると指摘していた。この問題を受け、市議会は市長への追及を開始した。
伊東市 田久保眞紀市長の公式ホームページ掲載写真
6月2日に行われた記者会見で、田久保市長は涙ながらに、「卒業は勘違いであり、実際には東洋大学から除籍されていたことが確認された」と釈明した。
市役所への苦情殺到と影響
この会見後、市役所にはかつてないほどの苦情が寄せられている。伊東市役所によると、会見が開かれた6月2日17時15分の閉庁までに約200件、翌3日には約350件の電話が殺到した。さらに、ホームページの「意見箱」へのメールも約240件に上ったという。
寄せられる電話やメールの大多数は、「市長は辞職すべきだ」という辞職勧告の声であり、次いで「状況はどうなっているのか」といった現状確認を求める問い合わせが多い。伊東市民だけでなく、市外、さらには全国各地から非難の声が寄せられている状況だという。4日午後には、電話回線がパンクし、他部署の職員も対応に当たっており、集計作業も困難な状況にある。
市議会での追及が報じられ始めた6月初旬から、市役所への電話は1日10件から20件程度あったが、会見後はその数が倍増した。問い合わせメール約240件の内容も、「辞めてほしい」といった苦情が中心で、中には悪口や過激な表現も含まれているという。
通常、問い合わせメールには内容確認後に担当部署が返信したり、市長決済を経て返信したりする対応を取っているが、今回の件に関しては、状況を随時確認するのみで、今後の対応は現在検討中だ。市役所内の7台の電話は常時稼働しており、メール対応に関する話し合いを行う時間も確保できないほどの混乱が続いている。
伊東市の田久保眞紀市長、学歴詐称疑惑に関する会見で涙
このような状況に対し、インターネット上では「市役所の職員は被害者」「クレーム対応の職員が気の毒」といった、市民サービスを担う職員への同情の声も多く上がっている。
まとめ
伊東市の田久保眞紀市長の学歴問題は、市役所機能が麻痺するほどの混乱を招いている。市長は涙ながらに除籍の事実を認めたものの、市民からの辞職を求める声はやまず、市役所は対応に追われる日々が続いている。この問題が今後どのように進展するか、注目が集まる。