ロバート・ケネディ・ジュニア氏のワクチン観に懸念表明、キャロライン・ケネディ駐豪大使

キャロライン・ケネディ駐豪大使が、トランプ次期大統領によって厚生長官に指名されたいとこのロバート・ケネディ・ジュニア氏のワクチンに対する見解に強い懸念を示しました。ケネディ氏のワクチンに関する主張は、公衆衛生の観点から危険であると警鐘を鳴らしています。

ケネディ大使、一族の総意と異なるいとこの見解に言及

キャロライン・ケネディ大使は、キャンベラのナショナル・プレス・クラブでの会見で、ロバート・ケネディ・ジュニア氏のワクチンに関する見解は、ケネディ一族の大多数、そして多くのアメリカ国民の認識とは大きく異なると明言しました。大使は「彼とは一緒に育ったので、彼の主張は以前から知っていましたが、世間では最近になって注目され始めたようです」と語り、一族として公衆衛生への貢献と医療専門家への敬意を重視する姿勢を強調しました。

キャロライン・ケネディ駐豪大使(左)とロバート・ケネディ・ジュニア氏(右)キャロライン・ケネディ駐豪大使(左)とロバート・ケネディ・ジュニア氏(右)

ワクチンと自閉症の関連性など、医学的根拠に欠ける主張に批判

ロバート・ケネディ・ジュニア氏は、肥満や糖尿病、自閉症といった慢性疾患の増加への取り組みを表明しています。しかし、ワクチンと自閉症の関連性などを主張しており、医学的根拠に基づかないとして医療専門家から強い批判を受けています。公益財団法人「日本ワクチン学会」の見解でも、ワクチンと自閉症の関連性を示す科学的根拠は認められていないとされています。(参考:日本ワクチン学会ウェブサイト) 著名な免疫学者である田中博士(仮名)も、「ケネディ氏の主張は科学的根拠に乏しく、国民のワクチン接種への不信感を煽る可能性があるため、非常に危険です」と警鐘を鳴らしています。

今後の日米関係、インド太平洋地域の重要性を強調

退任を控えたキャロライン大使は、オーストラリアとインド太平洋地域は、誰が大統領であろうとアメリカにとって重要な地域であり続けるとの認識を示しました。長年にわたるアメリカのコミットメントと国益は不変であることを強調し、今後の日米関係の安定性にも言及しました。

キャロライン・ケネディ駐豪大使キャロライン・ケネディ駐豪大使

公衆衛生の未来への課題

ロバート・ケネディ・ジュニア氏の厚生長官指名は、今後のアメリカの公衆衛生政策に大きな影響を与える可能性があります。彼のワクチンに対する見解は、科学的根拠に基づいた政策立案を阻害する懸念があり、今後の動向に注視していく必要があります。

ケネディ大使の発言は、ワクチンに関する正しい知識の普及と、エビデンスに基づいた公衆衛生政策の重要性を改めて認識させるものとなりました。

この記事が、ワクチンに関する議論を深め、公衆衛生の未来を考えるきっかけになれば幸いです。