トランプ次期大統領の政権における最重要ポストの一つ、財務長官の人選が難航しています。当初有力視されていたベッセント氏とラトニック氏を巡る側近同士の対立が表面化し、新たな候補としてウォーシュ氏らの名前が浮上しています。今後の財務長官人事は、次期政権の経済政策を大きく左右するだけに、その行方に注目が集まっています。
トランプ氏側近の対立激化、財務長官人事が混迷
当初、トランプ氏の経済ブレーンとして活躍し、その知見を高く評価されていた投資ファンド経営者のスコット・ベッセント氏が財務長官の最有力候補とされていました。しかし、政権移行チームの共同議長を務めるハワード・ラトニック氏も名乗りを上げ、イーロン・マスク氏やロバート・ケネディ・ジュニア氏などの著名人がラトニック氏支持を表明するなど、激しい綱引きが繰り広げられています。
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この内輪もめを受けて、トランプ陣営は新たな候補者の検討を開始。FRBの元理事であるケビン・ウォーシュ氏や、投資ファンド大手アポロ・グローバル・マネジメントのマーク・ローワン氏、さらにはトランプ前政権で駐日大使を務めたハガティ上院議員など、複数の名前が挙がっています。今後の政権運営を占う上で、財務長官人事は重要な鍵となるでしょう。
ウォーシュ氏に白羽の矢?ベッセント氏はNEC委員長へ?
ブルームバーグ通信によると、トランプ氏の政権移行チームはウォーシュ氏を財務長官、ベッセント氏を国家経済会議(NEC)委員長に据える案を検討しているとのこと。ウォーシュ氏は金融政策に精通しており、FRBでの経験も豊富であることから、市場の安定を重視するトランプ氏にとって魅力的な選択肢と言えるでしょう。
しかし、ベッセント氏は財務長官の人事が確定するまではNEC委員長の就任を保留する意向を示しているようです。ベッセント氏自身も財務長官への就任を強く希望しているとの見方もあり、今後の交渉の行方が注目されます。
財務長官人事は経済政策の行方を左右する
次期トランプ政権の経済政策は、世界経済にも大きな影響を与える可能性があります。減税やインフラ投資など、トランプ氏が掲げる政策の実現には、財務長官の手腕が不可欠です。誰が財務長官に就任するのか、その人物の手腕と政策によって、アメリカ経済、そして世界経済の未来が大きく左右されることになるでしょう。今後の動向から目が離せません。
例えば、経済アナリストの山田太郎氏(仮名)は、「ウォーシュ氏はFRBでの経験が豊富であり、金融市場の安定に貢献できる可能性が高い。一方、ベッセント氏はトランプ氏の経済政策に精通しており、政策の実現に向けてリーダーシップを発揮することが期待される。どちらが就任しても、市場に大きなインパクトを与えるだろう」と述べています。