台湾、トランプ氏就任前に大型兵器購入を打診か?防衛力強化と対米関係安定化を目指す

台湾の頼清徳政権が、トランプ次期米大統領の就任を前に、米国製兵器の大規模購入を米側に打診する検討をしていると報じられています。これは、トランプ氏の防衛費増額要求に先手を打ち、これまで認められなかった兵器の売却を働きかける狙いがあると見られています。もし実現すれば、台湾の防衛力強化と対米関係の安定化につながる大きな一歩となるでしょう。

トランプ氏の圧力と中国の軍事活動活発化

シュナイダー米太平洋空軍司令官の発言によると、頼氏就任以降、台湾周辺における中国軍用機の活動は300%も増加しているとのこと。台湾当局者は、中国がグレーゾーン作戦を含む様々な圧力によって、台湾海峡、東シナ海、南シナ海の支配強化を図っていると警戒感を強めています。

台湾の頼清徳総統台湾の頼清徳総統

このような状況下、トランプ氏の防衛費増額要求は台湾にとって大きな負担となる可能性があります。そこで、頼政権は、この圧力を逆手に取り、米国への兵器購入を積極的に進めることで、防衛力強化と同時にトランプ氏との関係構築を図ろうとしていると分析されています。

最新鋭ステルス戦闘機F35を含む大型購入リスト

フィナンシャル・タイムズ紙の報道によると、台湾は最新鋭ステルス戦闘機F35を60機含む、総額150億ドル(約2兆3千億円)を超える兵器購入リストを検討しているとのこと。台湾当局は具体的なリストの存在は否定していますが、「抑止力のために国防への投資を強化する方針は変わらない」と述べています。

台湾の安全保障研究者によれば、「台湾は今回の機会を利用し、バイデン政権下では調達できなかった兵器の購入を目指している」とのこと。防衛力強化は喫緊の課題であり、米国との関係強化はそれを実現するための重要な鍵となります。

防衛力強化と対米関係安定化の両立を目指す

頼政権にとって、今回の兵器購入打診は、防衛力強化と対米関係安定化という二つの重要な目標を同時に達成するための戦略的な一手と言えるでしょう。台湾は、トランプ氏との良好な関係を築き、米国の支援を確保することで、中国の圧力に対抗し、地域の安定を維持することを目指しています。

台湾の専門家、例えば「台湾国防戦略研究所」の林正義氏(仮名)は、「今回の兵器購入は、台湾の防衛力強化に大きく貢献するだけでなく、日米台連携の強化にもつながるだろう」と述べています。 今後、米国側の反応が注目されます。