ウクライナ侵攻の新たな局面、クルスク州の攻防が激化しています。昨年8月、ウクライナ軍がロシア西部クルスク州に侵攻し、スジャ町を中心とする約650平方kmを占領。その後、ロシア軍は反攻を試みていますが、ウクライナ軍の抵抗は激しく、膠着状態が続いています。
ロシア軍、大規模攻勢の準備
膠着状態を打破すべく、ロシア軍はクルスク州に大規模な部隊を展開しています。第76、第106両親衛空挺師団、第83独立空挺強襲旅団、再建された第155独立親衛海軍歩兵旅団、そして数千人規模の北朝鮮部隊など、総勢約5万人に及ぶとされています。これらの部隊は、ゼリョーヌイ・シュリャフの北西方面に集結し、大規模攻勢の準備を進めている模様です。
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ウクライナ海兵隊のドローン操縦士、クリークスフォルシャー氏は、「クルスク州で近々、ロシア軍が大規模な進攻を始めると予想される」と述べ、ロシア軍の成功を危惧しています。これまでの戦闘では、ゼリョーヌイ・シュリャフ付近に多数のロシア軍装甲車両の残骸が確認されており、ロシア軍の苦戦が伺えます。しかし、今回の大規模攻勢により、戦況が大きく変わる可能性があります。
プーチン大統領の思惑、そしてトランプ氏の影
プーチン大統領は、ロシア軍によるウクライナ軍の排除期限を来年2月初めに設定したとされています。しかし、真の期限は、来年1月20日のトランプ次期米大統領の就任日ではないかとの見方もあります。トランプ氏は、ウクライナ戦争の終結を公約に掲げており、現状での停戦を提案しています。プーチン大統領は、ウクライナ領土の一部を保持した上での停戦には応じる可能性がありますが、クルスク州の放棄は受け入れられないでしょう。
ウクライナ軍、防衛線の強化へ
ロシア軍の大規模攻勢が迫る中、ウクライナ軍も防衛線の強化を急いでいます。塹壕の構築や兵力の増強など、あらゆる手段を講じてロシア軍の攻撃に備えています。今後のクルスク州の戦況は、ウクライナ戦争全体の行方を左右する重要な局面となるでしょう。軍事専門家の中には、ロシア軍の攻勢が成功した場合、ウクライナ東部への更なる侵攻につながる可能性を指摘する声もあります。
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クルスク州の攻防は、ウクライナ戦争の今後を占う上で重要な意味を持ちます。ロシア軍の大規模攻勢は成功するのか、ウクライナ軍は防衛線を維持できるのか、今後の動向に注目が集まります。