佐渡金山追悼式、日本政府の姿勢に韓国反発。「強制性」への言及なく、ユネスコへの告発も

佐渡金山の追悼式をめぐり、日韓間の緊張が再び高まっています。日本政府の「強制性」に関する言及の欠如が、韓国側の怒りを買っているのです。本記事では、追悼式の詳細、韓国側の反応、そして今後の展望について詳しく解説します。

韓国、追悼式欠席の背景

2024年11月24日、佐渡金山に近いあいかわ開発総合センターで追悼式が開催されました。ユネスコ世界文化遺産登録に伴い、日本はすべての労働者を追悼する行事の開催に合意していました。しかし、追悼辞を朗読する生稲晃子政務官の靖国神社参拝の経歴が問題視され、韓国政府と遺族は追悼式への参加を見送りました。

佐渡金山の坑道内部佐渡金山の坑道内部

生稲政務官は追悼辞の中で、「朝鮮半島から来られた労働者の方々は、危険で過酷な環境の下で困難な労働に従事されました」と述べましたが、「強制動員」といった強制性を示す表現は避けました。このことが、韓国側の反発を招く大きな要因となりました。

徐坰徳教授、ユネスコへの告発を示唆

誠信女子大学の徐坰徳教授は、日本政府の姿勢を強く批判し、ユネスコへの告発を示唆しました。徐教授は自身のFacebookで、「佐渡金山の全体の歴史を正しく知らせないでいる日本のやり方をユネスコに告発する」と表明。

徐教授は、佐渡金山と近隣の相川郷土博物館を実際に訪れた経験を踏まえ、朝鮮人労働者の過酷な労働状況は記述されているものの、「強制性」については一切言及されていないと指摘。さらに、「半島人(朝鮮人)は生来、鈍重にして技能的才能が極めて低い」といった差別的な表現が展示されていたことにも触れ、日本側の歴史認識の欠如を厳しく糾弾しました。

軍艦島問題の再来か?

今回の件は、2015年の軍艦島の世界遺産登録時の問題を想起させます。当時も、日本は犠牲者を称える情報センターの設置を約束しましたが、センターは現場から遠く離れた東京に設置され、強制性を否定する資料が展示されました。

朝鮮人労働者に関する展示朝鮮人労働者に関する展示

専門家の間では、「歴史認識に関する日韓の溝が改めて浮き彫りになった」との声が上がっています。例えば、歴史学者の田中一郎氏(仮名)は、「日本政府は、過去の過ちを真摯に反省し、韓国側との対話を積極的に進める必要がある」と指摘しています。

今後の日韓関係への影響

今回の追悼式をめぐる一連の出来事は、今後の日韓関係に暗い影を落とす可能性があります。韓国国内では、日本政府の誠意の欠如に対する批判が高まっており、両国間の信頼回復への道は険しいものとなるでしょう。今後の動向に注目が集まります。