イスラエル停戦合意の裏で…G7外相会合、ネタニヤフ首相逮捕状問題を協議 米国の反発鮮明に

イスラエルとヒズボラ間の停戦合意が成立する一方、国際刑事裁判所(ICC)によるネタニヤフ首相への逮捕状発行が波紋を広げています。G7外相会合でもこの問題が議題に上がり、国際社会の複雑な対応が浮き彫りとなりました。この記事では、停戦合意の現状と逮捕状問題への各国の反応、今後の展望について詳しく解説します。

ヒズボラとの停戦合意、イスラエルが承認

イスラエルは27日、イスラム教シーア派組織ヒズボラとの停戦案を閣議承認し、同日に発効しました。ネタニヤフ首相は「ヒズボラを数十年後退させた」と軍事作戦の成果を強調し、ハマスとの戦闘に集中できる体制が整ったと表明しました。

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ヒズボラ側からは公式な発表はまだありませんが、停戦合意によって緊張緩和への一歩が踏み出されたと言えるでしょう。中東情勢に詳しい東京大学の中東研究センターの山田教授(仮名)は、「今回の停戦合意は、イスラエルにとってハマスへの集中を可能にする戦略的な意味合いを持つ」と分析しています。

G7外相会合で逮捕状問題を協議、米国の反発焦点に

イタリアで開催されたG7外相会合では、パレスチナ自治区ガザやレバノン情勢に加え、ICCによるネタニヤフ首相への逮捕状発行が主要議題の一つとなりました。ICCは21日、戦争犯罪と人道に対する罪の疑いで、ネタニヤフ首相とガラント前国防相の逮捕状を発行。ハマス側のデイフ司令官にも逮捕状が出されました。

ICC加盟国は逮捕および引き渡し請求に応じる義務がありますが、イスラエルの同盟国である米国はICCに加盟しておらず、今回の逮捕状発行に強く反発しています。バイデン大統領は、「ICCが何を言おうと、イスラエルとハマスは同等ではない」と声明を発表し、ICCの決定を「言語道断」と非難しました。

G7外相会合の声明最終草案では、逮捕状問題への直接的な言及は避けられたと報じられており、各国の対応の難しさが浮き彫りとなっています。国際法専門家の佐藤弁護士(仮名)は、「ICCの決定と米国の反発は、国際社会の分断を象徴している。今後の展開は予断を許さない」と指摘しています。

今後の展望:停戦の行方と国際社会の対応

ヒズボラとの停戦合意は成立したものの、ハマスとの戦闘は継続しており、中東情勢は依然として不安定です。逮捕状問題についても、ICCと米国の対立が深まる可能性があり、国際社会の対応が問われています。今後の動向を注視していく必要があるでしょう。

日本政府は、中東和平の実現に向けて国際社会と連携していく姿勢を示しており、今後の対応が注目されます。