超高齢化社会の到来:団塊世代の「長寿期リスク」と備え

高齢化が加速する日本。6人に1人が75歳以上の後期高齢者となる時代が目前に迫っています。核家族化を進め、高度経済成長を支えてきた昭和一桁生まれや団塊の世代は、長寿化という新たな課題に直面しています。自分たちの老後、そして来るべき「長寿期」をどのように生き抜くべきか、考えてみませんか?

長寿期における生活の現実

80歳を超えても、男性で約9年、女性で約12年の平均余命がある現代。厚生労働省の「令和5年簡易生命表の概況」によれば、女性の平均寿命は87.14歳、男性は81.09歳となっています。長生きは喜ばしいことですが、同時に長寿期における生活の質、そして介護や支援の必要性についても真剣に考える必要があります。

高齢者のイメージ高齢者のイメージ

2035年には、人口の3人に1人が高齢者になると予測されています。特に75歳以上の後期高齢者の増加は顕著で、総人口の約2割を占める見込みです。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来人口推計」によると、80歳以上の長寿期高齢者人口も増加し、総人口の約14%に達するとされています。

団塊世代の老後:課題と展望

2035年には、団塊の世代が90歳目前となります。高度経済成長を支え、核家族モデルを築いてきたこの世代は、長寿期における生活をどのように送るのでしょうか。社会学者の春日キスヨ氏は著書『長寿期リスク 「元気高齢者」の未来』(光文社新書)の中で、現在の高齢者の多くは将来の介護や支援の必要性を想定していないと指摘しています。

高齢者介護の専門家である山田花子さん(仮名)は、「団塊世代は、自立した生活を長く送ってきたため、介護が必要になる状況を想像しにくい傾向があります。そのため、将来の備えが不十分なケースも見られます」と述べています。

高齢者と介護のイメージ高齢者と介護のイメージ

親世代の三世代同居を経験しながらも、自ら核家族を選択した団塊世代。彼らが築き上げてきた価値観や生活様式は、長寿期においてどのような影響を及ぼすのでしょうか。

長寿期リスクへの備え

長寿期を迎えるにあたって、健康寿命の延伸、経済的な安定、そして社会との繋がりを維持することが重要です。健康的な食生活、適度な運動、そして趣味や社会活動への参加は、健康寿命を延ばすだけでなく、生活の質を高めることにも繋がります。

また、介護が必要になった場合の費用や住まいの確保についても、早めの準備が必要です。公的介護保険制度の活用はもちろん、民間の介護サービスや住宅についても検討しておくことが大切です。

さらに、家族や友人、地域社会との繋がりを維持することも重要です。孤立を防ぎ、互いに支え合うことで、安心して長寿期を過ごすことができます。

まとめ:未来への展望

超高齢化社会の到来は、私たちにとって大きな課題であると同時に、新たな可能性を秘めています。団塊世代をはじめとする高齢者が、健康で充実した長寿期を送れるよう、社会全体で支え合う仕組みづくりが求められています。