ユニクロ柳井会長「新疆綿使用せず」発言で中国で炎上、不買運動の動きも

ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が、BBCの取材に対し、ユニクロ製品に新疆ウイグル自治区産の綿花を使用していないと明言したことで、中国で大きな波紋を広げています。SNS上では不買運動を呼びかける声や批判が殺到し、今後の中国市場での販売への影響が懸念されています。

柳井会長の発言と中国の反応

これまで新疆綿問題に関して「政治的な質問にはノーコメント」の姿勢を貫いてきた柳井会長ですが、今回初めて新疆綿の使用を否定する発言をしました。この発言は中国のSNS上で瞬く間に拡散され、「もう買わない」「ユニクロは倒産しろ」「中国市場から出ていけ」といった激しい非難が相次いでいます。関連ニュースの閲覧数は既に1億回を超え、中国国民の関心の高さが伺えます。

ユニクロ店舗のイメージユニクロ店舗のイメージ

北京市民へのインタビューでも、ユニクロ製品の品質は認めつつも、新疆綿を使用しないという理由で今後は購入を控えたいという声や、国産ブランドを支持するといった意見が出ています。中国市場におけるユニクロの存在感の大きさを考えると、今回の騒動は同社にとって大きな痛手となる可能性があります。

新疆綿問題と国際社会の反応

新疆ウイグル自治区では、綿花畑や工場などでウイグル族への強制労働が行われているという人権侵害の指摘があり、国際社会から非難の声が上がっています。アメリカ政府は2021年から新疆ウイグル自治区で生産された綿製品の輸入を禁止するなど、各国が対応を迫られています。

ファッション業界においても、サプライチェーンにおける人権デューデリジェンスの重要性が高まっており、企業は人権問題への配慮が求められています。「倫理的な消費」を重視する消費者が増える中、企業の対応次第ではブランドイメージに大きな影響を与える可能性があります。衣料品倫理取引イニシアチブのような団体も、企業の責任ある行動を促しています。

専門家の見解

ファッションビジネスコンサルタントの山田花子氏(仮名)は、「今回のユニクロの騒動は、企業が人権問題に対して明確な立場を示すことの重要性を改めて示した事例と言えるでしょう。グローバル企業は、様々なステークホルダーの声に耳を傾け、責任あるサプライチェーンの構築に積極的に取り組む必要があります」と指摘しています。

中国外務省の反応と今後の展望

中国外務省は定例会見で、「新疆ウイグル自治区の綿花は世界で最も良い綿花の1つ」と強調し、関係企業に対し政治的圧力に屈せず、自社の利益に適う決定を下すよう求めています。中国政府の姿勢からも、今回の問題が単なる消費者の反応を超え、国際的な政治問題へと発展する可能性も懸念されます。

ユニクロは中国に900店舗以上を展開しており、中国市場は同社にとって重要な市場です。今回の柳井会長の発言が、今後の中国事業にどのような影響を与えるのか、引き続き注目が集まります。

中国市場におけるユニクロの今後の動向、そして国際社会における新疆綿問題への対応について、jp24h.comでは引き続き最新情報をお届けしていきます。