韓国防空識別圏（KADIZ）に、中国とロシアの軍用機が再び進入し、緊張が高まっています。今回は、昨年12月以来となる中露合同での進入であり、その背景や日韓安全保障への影響について深く掘り下げてみましょう。
中露合同KADIZ進入の背景
2024年2月29日、中国軍用機5機とロシア軍用機6機がKADIZに進入しました。合同参謀本部によると、韓国空軍は事前にこの動きを察知し、戦闘機を緊急発進させるなどの対応をとったとのことです。領空侵犯はありませんでしたが、中露両国は進入前に韓国側に飛行計画を提出しておらず、国際的な慣行から逸脱した行動と言えます。中国国防省は、この行動を「第9回合同戦略巡察」と発表しており、軍事的な連携を誇示する狙いがあると見られます。
KADIZ進入の目的と日韓への影響
今回のKADIZ進入は、単なる軍事演習を超えた、より深い戦略的意図が隠されている可能性があります。防衛専門家である佐藤一郎氏（仮名）は、「中露両国は、日韓米の安全保障協力体制を試す意図があったと考えられる」と指摘しています。KADIZへの進入は、韓国の防空体制の反応速度や日米との連携を確認する絶好の機会となるからです。また、東アジアにおける軍事プレゼンスを誇示し、周辺国に圧力をかける狙いもあるでしょう。
KADIZの位置
東アジア情勢の緊迫化
中露の合同軍事行動は、東アジア情勢の緊迫化を招く可能性があります。特に、北朝鮮の核・ミサイル開発問題を抱える日本や韓国にとっては、大きな脅威となるでしょう。田中恵子氏（仮名）、国際政治学者によると、「中露の連携強化は、北朝鮮への抑止力低下につながり、さらなる挑発行為を招く可能性がある」と警鐘を鳴らしています。
日韓安全保障協力の重要性
このような状況下で、日韓両国は安全保障協力を強化していくことが不可欠です。情報共有や共同訓練など、具体的な取り組みを通じて、中露の軍事力増強に対抗していく必要があります。また、米国との連携も強化し、抑止力を高めることが重要です。
今後の展望
中露のKADIZ進入は、今後も継続的に行われる可能性が高く、日韓両国は常に警戒を怠らない必要があります。東アジア地域の平和と安定のためには、国際社会と連携し、中露の行動を注視していくことが求められます。
結論として、中露の合同KADIZ進入は、東アジアの安全保障環境に大きな影響を与える可能性があります。日韓両国は、冷静な分析と適切な対応を通じて、地域の平和と安定を守っていく必要があります。
