西成、覚醒剤の影は消えたのか? 過去の闇と現在の街の姿

かつて「24時間覚醒剤が手に入る街」として、暗いイメージがつきまとっていた大阪・西成。2012年の橋下徹市長(当時)による「西成浄化作戦」以降、街はどのように変化したのでしょうか? 覚醒剤の闇は完全に消え去ったのか、それとも形を変えて残っているのか。本記事では、西成の過去と現在に迫り、その実態を解き明かしていきます。

覚醒剤の温床から更生への道? 西成の変遷

かつて西成は、覚醒剤の売買が公然と行われる場所でした。太子交差点を中心に、まるでドライブスルーのように車から覚醒剤を購入できるほど、売人が蔓延していたといいます。品質や量の良し悪しに関する情報がインターネットや口コミで共有され、全国から覚醒剤を求める人々が集まっていました。

西成の街並み西成の街並み

しかし、2012年の西成浄化作戦を機に、状況は一変します。徹底的な取り締まりにより、街角に立っていた売人の姿は消え、覚醒剤の入手は困難になったと言われています。

浄化作戦後も残る闇? 潜伏する売人の噂

浄化作戦後、西成の覚醒剤売買は完全に根絶されたのでしょうか? 筆者が数年前に取材した際には、ドヤを拠点とする売人が、紹介制で密かに覚醒剤を売りさばいているという情報を得ました。しかし、最近ではそれらの売人も摘発されたという噂も耳にします。

外国人コミュニティと覚醒剤問題

現在、西成で覚醒剤を手に入れることは非常に難しいとされています。しかし、完全に消滅したわけではなく、ベトナム人をはじめとする外国人コミュニティが覚醒剤を所持しているという情報があります。ただし、彼らは日本人には滅多に売らないため、入手ルートは限られているようです。

専門家の見解: 薬物依存症対策の必要性

薬物問題に詳しいA氏(仮名)によると、「西成の浄化作戦は一定の効果をあげたものの、薬物依存症の問題は依然として残っている。更生支援や啓発活動など、包括的な対策が必要だ」とのこと。薬物依存からの脱却を支援する体制の強化が、西成の未来にとって重要な課題と言えるでしょう。

西成の未来:更生と希望の光

西成は、かつての暗いイメージを払拭し、新たな街へと生まれ変わろうとしています。地域住民の努力や行政の支援により、治安の改善が進み、観光客も訪れるようになりました。しかし、薬物問題の根本的な解決には、更なる取り組みが必要です。

西成の未来は、地域社会全体で薬物問題と向き合い、更生と希望の光を灯していくことができるかどうかにかかっています。