元火葬場・葬儀屋職員の下駄華緒さんが、1万人のご遺体を見送ってきた経験を元に原作をつとめた『最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常』(漫画:蓮古田二郎)が、重版を重ねるヒット作となっている。
【マンガ】元火葬場職員が明かす、本妻と愛人が繰り広げた「ヤバすぎる修羅場」
10月31日には、最新刊となる『最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常(4)』が発売された。その衝撃的な内容が、ネットを中心に話題沸騰中だ。
4巻目では一般人がほとんど知らない火葬場のディープな内容まで紹介されている。その知られざる世界を、下駄さんに案内してもらった。
火葬場が修羅場に…
ある日、下駄さんが働く火葬場に“ワケあり”の遺族がやってきたという。到着早々、なぜか女性2人が揉めに揉めていた。
「ちょっとアンタ!うちの娘が遺影を抱いてるんだから横から図々しく手を添えないでよ!」
「私にも抱かせてください…」
葬儀屋の事前情報によると、故人は本妻がいるにも関わらず、外で愛人を作っていたという。今回の火葬には、なんとその愛人も参列しているのだという。
本妻は育ちが良さげで常識的な一方、愛人はそれとは正反対。どこか世間知らずで、頼りなさげな雰囲気が漂っている。
火葬場は撮影禁止
そうこうするうちに愛人が突然とんでもない行動に出る。
「カシャ」
スマホで遺影を撮影し始めたのだ。
「火葬場は撮影禁止になっておりますので……」
申し訳なさそうに注意する下駄さんに、本妻も加勢する。
「アンタは、そんな事も知らんのか!」
では、なぜ火葬場は撮影禁止なのか。
「火葬場での撮影は、無関係の参列者の方が写真に写り込み、トラブルに発展する恐れがあります。それを防ぐため撮影禁止にしている火葬場が多いのです。ちなみに、火葬場職員にも故人を扱う際にはさまざまなルールがあります。
例えば、棺が乗った霊台車は基本的にバックさせてはいけません。これは故人がまっすぐにあの世に行けるように、という風習からです。また、間違った火葬炉に入れるのもタブー。もしミスをしてしまったら、再び遺族の方々に立ち合いいただき、正しい炉に入れ直さないといけません。火葬されていない棺を炉から引っ張り出すというのは、あの世から引き戻すことを意味します」(下駄さん)
修羅場の予感がする、この日の火葬。その後、下駄さんは本妻と愛人のさらに醜い争いを目撃する――。
つづく記事〈「遺産を半分やるって言ってるじゃない!」「のど仏も半分ください」…火葬場職員が冷や汗をかいた、本妻と愛人による「ドロ沼のお骨上げ」〉では、そんな修羅場の詳細をお伝えする。
週刊現代(講談社・月曜・金曜発売)