元児相職員、過酷な労働環境を2万5千字超の陳述書で告発!千葉地裁で裁判続く

児童相談所の一時保護所で働くことの過酷さを訴える裁判が続いています。千葉県内の児童相談所一時保護所の元職員、飯島章太さんが、県に対し未払い賃金と慰謝料の支払いを求める裁判の第11回期日が、2024年11月27日に千葉地裁で行われました。飯島さんは過酷な労働環境が原因で精神疾患を発症し、退職を余儀なくされたと主張しています。今回の裁判では、飯島さん自身が作成した2万5千字を超える陳述書が提出され、注目を集めています。この陳述書には、一時保護所の劣悪な労働環境の実態や、裁判に至るまでの苦悩が赤裸々に綴られています。

一時保護所の過酷な労働環境とは?

飯島さんの陳述書には、一時保護所における想像を絶する労働環境が詳細に記述されています。例えば、昼休憩は子どもたちと食事をするため事実上存在せず、夜勤中の仮眠も子どもたちの様子を見守る必要があり、満足に休むことができなかったと訴えています。

元児相職員の飯島章太さん元児相職員の飯島章太さん

さらに、入庁初日に配属先とシフト制勤務を知らされたり、専門知識やスキルを身につけるための研修が一切なかったりと、職員へのサポート体制の不備も指摘されています。このような環境下で、職員たちは心身ともに疲弊し、子どもたちへの適切なケアも難しくなっていたと想像できます。

2万5千字に込められた思い

飯島さんの代理人弁護士は、2万5千字を超える陳述書の長さについて「まれ」だと述べ、児童相談所で何が起こっているのかを理解してほしいと訴えました。この陳述書は、単なる労働問題の訴えにとどまらず、一時保護所で働く職員たちの苦悩、そして子どもたちの置かれた厳しい現実を社会に伝える重要な役割を担っていると言えるでしょう。

労働問題に詳しい専門家、山田一郎氏(仮名)は、「職員の疲弊は、子どもたちへのケアの質の低下に直結する。一時保護所における適切な人員配置と労働環境の改善は喫緊の課題だ」と指摘しています。

裁判の行方と今後の課題

この裁判は、一時保護所の労働環境改善に向けた重要な一歩となる可能性を秘めています。今後、裁判の行方がどのように展開していくのか、そしてどのような判決が下されるのか、注目が集まります。

千葉地方裁判所千葉地方裁判所

一時保護所は、様々な事情を抱える子どもたちにとって、一時的に安全な場所を提供する重要な施設です。しかし、職員の過酷な労働環境が改善されない限り、真の意味で子どもたちを守り育てることは難しいでしょう。この裁判をきっかけに、一時保護所の現状について広く議論が深まり、より良い環境が整備されることを期待します。