渋谷の雑踏の中、マスクを外せない女性。彼女は他人にはなかなか理解されない「醜形恐怖症」を抱えています。自分の顔が醜いという思い込みに苦しみ、整形を繰り返す日々。メイクに2時間かけることもあった彼女の心の内を覗いてみましょう。
醜形恐怖症とは?他人には見えない心の病
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24歳の田中真緒さん(仮名)は、人混みの中では常に視線を感じ、不安に襲われます。「私の顔がブスだから、みんな見ている、嫌な顔をしている」と感じてしまうのです。これは「醜形恐怖症」という心の病によるもの。 自分の容姿の一部に極度の欠点を感じ、それが頭から離れないのです。整形手術を繰り返しても、根本的な解決には至りません。精神科医の佐藤先生(仮名)も、「醜形恐怖症は心の病であり、外見を変えるだけでは治らない」と指摘しています。真緒さんのように、家族以外には打ち明けられずに苦しんでいる人も少なくありません。
鏡の中の自分と向き合う苦悩:メイクに2時間…
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真緒さんは、自分の目、鼻、唇、輪郭など、あらゆるパーツに欠点を感じています。「もっと丸顔になりたい」「鼻の下が長いのが嫌だ」― こうした思いが頭から離れず、鏡を見るたびに憂鬱な気分になります。コンプレックスを隠すため、メイクに1時間以上かけることも。以前は2時間以上かけていたといいます。カラーコンタクトで黒目を大きく見せ、上唇に濃いめのリップを塗って鼻の下を短く見せるなど、様々な工夫を凝らしています。
視線恐怖:街を歩くことへの不安
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街を歩くだけでも、真緒さんにとっては大きなストレスとなります。すれ違う人の視線が気になって仕方がないのです。特に男性とすれ違うときは、「私の顔を見て嫌な顔をしているのではないか」「にらまれているのではないか」と感じ、不安に苛まれます。 こうした「視線恐怖」も醜形恐怖症の症状の一つ。美容皮膚科クリニック院長、加藤先生(仮名)によると、思春期に発症することが多く、鏡を何度も見たり、メイクに過剰な時間をかけるといった行動が見られるとのこと。真緒さんのように、顔のパーツに強いこだわりを持つケースも珍しくありません。
醜形恐怖症と共に生きる:理解と支援の必要性
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真緒さんのように、醜形恐怖症で苦しむ人々は、外見ではなく心に深い傷を負っています。周囲の理解と適切な支援が不可欠です。まずは「醜形恐怖症」という病気を知り、偏見を持たずに接することが大切です。そして、専門家のサポートを受けられるよう、適切な情報を提供することも重要となります。真緒さんの勇気ある告白が、醜形恐怖症への理解を深めるきっかけとなることを願います。