日産、再び苦境…アメリカ市場で巨額損失、復活の道は?

日産自動車が2024年度上期(4月~9月)の決算を発表し、厳しい現状が改めて浮き彫りとなりました。営業利益は前年同期比90%減の329億円、通期予想も下方修正され、リストラ計画も発表。かつての勢いはどこへ行ってしまったのでしょうか?そして、復活の道筋はあるのでしょうか?この記事では、日産の現状と今後の展望について詳しく解説します。

米国市場での苦戦が業績悪化の主因

日産の苦境を招いた最大の要因は、米国と中国市場における販売不振です。特に米国市場の業績悪化は深刻で、2023年4~9月期には2413億円の黒字だったのが、2024年同期には41億円の赤字に転落。実に2454億円もの差が生じており、これはある有名企業の年間売上高に匹敵する巨額な損失です。

日産の新型車日産の新型車

大幅なリストラ策、生産能力と人員を削減

業績悪化を受け、日産は抜本的なリストラ策に乗り出しました。グローバルで生産能力を20%削減するほか、9000人もの人員削減を計画。さらに、提携先の三菱自動車の持ち株の一部売却も発表しています。これらの施策は、日産の経営状況がいかに深刻かを物語っています。

中期経営計画「The Arc」はわずか8ヶ月で頓挫

わずか8ヶ月前、日産は中期経営計画「The Arc」を発表し、2026年度までに販売台数を100万台増やし、営業利益率6%以上を目指すという野心的な目標を掲げていました。しかし、今回の業績悪化により、この計画は事実上頓挫。楽観的な見通しは脆くも崩れ去り、現実の厳しさを突きつけられました。

日産の復活は可能か? 消費者の心を掴む戦略が必要

では、日産は今後どのようにして復活を遂げるのでしょうか? 自動車業界専門家の山田一郎氏(仮名)は、「日産の復活には、消費者のニーズを的確に捉えた魅力的な商品開発と、ブランドイメージの向上」が不可欠だと指摘します。

魅力的な商品でブランドイメージを刷新

現状では、日産車は「どうしても欲しい」と思わせるような魅力に欠けていると言わざるを得ません。他社との差別化を図り、消費者の心を掴む斬新なデザインや革新的な技術を搭載した車種の開発が急務です。

日産の内田社長日産の内田社長

電動化戦略の加速とグローバル展開の再構築

世界的なEVシフトの波に乗り遅れないよう、電動化戦略を加速させることも重要です。さらに、販売不振に陥っている米国や中国市場での戦略を見直し、グローバル展開を再構築する必要があります。

未来は不透明、日産の挑戦は続く

日産の未来は依然として不透明ですが、今回の苦境を乗り越え、再び輝きを取り戻すことができるのか。それは、日産の経営陣の手腕と、消費者の支持にかかっています。今後の動向に注目が集まります。