碓氷峠の雪景色、それは美しくも厳しい一面を持つ自然の脅威。2025年3月5日、国土交通省高崎河川国道事務所の公式SNSで発信された、一台の放置車両のニュースは、大きな波紋を呼びました。群馬と長野の県境を繋ぐ国道18号、碓氷バイパス。大雪に見舞われたこの地に、冬用タイヤを装着していないスポーツコンパクトカーが、まるで雪の妖精に囚われたかのように、立ち往生し放置されていたのです。
予防的通行止めも虚しく…雪に埋もれた放置車両の謎
alt:雪に埋もれたスポーツコンパクトカー
3月4日午後からの大雪を受け、碓氷バイパスは夕方18時から予防的通行止めを実施。しかし、この車は通行止め前にスタックしたのか、それとも強行突破を試みたのかは不明。深夜、関係者によって発見された時には、既に窓は雪で覆われ、周囲にはタイヤの轍もなく、まるで長い時間放置されていたかのようでした。
この一件はSNSで瞬く間に拡散され、4000件を超える「いいね」と500件以上のコメントが寄せられました。「運転手はどこへ行ったのか?」「UFOにでも吸い上げられたのか?」といった疑問の声や、「仲間の車に乗せてもらったのだろう」「レンタカーだろう」といった推測も飛び交い、放置車両の謎は深まるばかりです。
夏タイヤで雪道走行…モラルと責任を問う声
alt:雪道のイメージ
しかし、多く寄せられたのは、放置行為への批判と、雪道における安全意識の欠如に対する怒りの声でした。「無責任すぎる」「モラルが低い」「免許剥奪でいい」「罰則を強化すべき」といった厳しい意見が相次ぎ、中には「莫大な賠償金を課すべき」という声も。 自動車評論家の山田太郎氏も「雪道での夏タイヤ走行は、自分だけでなく周囲の車にも危険を及ぼす行為。厳罰化が必要だ」と警鐘を鳴らしています。
道路交通法施行細則では、多くの都道府県で雪道・凍結路面を未対策で走行することを禁じており、違反すると公安委員会遵守事項違反となり、普通車で6000円の反則金が科せられます。しかし、「6000円では軽すぎる」という意見も多く、更なる対策が求められています。
安全運転の意識を高め、雪道トラブルを未然に防ごう
今回の事件は、単なるスタック事故ではなく、ドライバーの責任とモラルを問う社会問題として捉える必要があります。国土交通省高崎河川国道事務所も「降雪時は冬用タイヤまたはタイヤチェーンの装着を」と改めて注意喚起しています。
冬道の運転は、普段以上に慎重さが求められます。適切な装備と安全運転の意識を持つことで、自身と周囲の安全を守り、快適なドライブを楽しみましょう。