中露爆撃機、沖縄近海で再び共同飛行!日本への示威行動か?

日本周辺の安全保障環境が緊迫さを増しています。防衛省の発表によると、11月30日、中国軍の爆撃機「H6N」2機とロシア軍の爆撃機「Tu95」2機が、沖縄本島と宮古島の間を通過し、太平洋まで共同飛行を実施しました。前日の29日にも、同様の共同飛行が日本海と東シナ海で行われており、2日連続の示威行動に、関係者からは懸念の声が上がっています。

中露爆撃機の共同飛行、何が問題なのか?

今回の共同飛行で特に注目されるのは、中国軍のH6N爆撃機の登場です。H6Nは、長射程対地巡航ミサイルを搭載可能で、空中給油により長距離飛行が可能な爆撃機。防衛省が日本周辺でH6Nの飛行を確認したのは、29日が初めてでした。

中国軍のH6爆撃機中国軍のH6爆撃機

30日の共同飛行では、中露の爆撃機は午前から午後にかけて太平洋側に出た後、同じルートで東シナ海に戻りました。中国軍機はその後中国方面へ帰投しましたが、ロシア軍機は沖縄本島と宮古島の間をさらに複数回往復飛行した後、日本海側へ抜けて大陸方面へと飛び去ったとのことです。

今回の共同飛行は、単なる通過飛行ではなく、日本に対する示威行動である可能性が高いと軍事専門家の山田一郎氏(仮名)は指摘します。「H6Nのような新型爆撃機の投入は、中国の軍事力誇示の意図が強く、ロシアとの連携を誇示することで、日本への圧力を強める狙いがあると考えられます。」

日本はどう対応すべきか?

今回の共同飛行以外にも、中露の戦闘機や中国軍の情報収集機なども確認されており、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)対応に追われました。幸いにも領空侵犯はありませんでしたが、統合幕僚監部は、「両国の爆撃機による度重なる共同飛行は、日本に対する示威行動を明確に企図したもので重大な懸念だ」と強い危機感を表明しています。

航空自衛隊のスクランブル発進航空自衛隊のスクランブル発進

今後、同様の共同飛行が繰り返される可能性も高く、日本としては、周辺国の軍事動向を注視しつつ、日米同盟の強化や、独自の防衛力整備を進めることが重要となります。国際社会との連携も強化し、外交的な解決策も模索していく必要があります。

中露の軍事連携強化、その背景とは?

中露両国は近年、軍事協力を強化しており、合同軍事演習なども頻繁に行っています。ウクライナ情勢や台湾問題などを背景に、米国を中心とする西側諸国との対立が深まる中、中露は互いの利害が一致する分野で連携を強めていると見られています。

今後の東アジア地域の安全保障環境は、ますます不透明さを増していくことが予想されます。日本は、冷静な状況分析と戦略的な対応が求められています。