ウクライナ侵攻から1000日以上が経過した現在も、故郷を想い、平和を願う人々の活動は続いています。今回は、三重県鈴鹿市在住の柏谷オーリャさんが開催したウクライナ料理講座の様子と、彼女が故郷への想いを込めて行う支援活動についてご紹介します。
戦禍の故郷と料理への想い
2022年2月24日、オーリャさんは友人からの連絡でウクライナ侵攻の事実を知りました。当初は信じられない思いでしたが、ニュースで現実を突きつけられ、ウクライナ西部の母に連絡。母の不安に寄り添いながらも、日本へ来るよう説得を試みましたが、母は故郷を離れることを拒否しました。以来、オーリャさんは毎日欠かさず母と連絡を取り合い、故郷の状況を聞いています。
鈴鹿市でウクライナ料理講座を開く柏谷オーリャさん
母からは、ほぼ毎日鳴り響く空襲警報や、低空飛行する戦闘機の轟音で家が揺れる恐怖を聞かされています。病院や学校も攻撃対象となり、多くの民間人が犠牲になっている現状に、オーリャさんは深い悲しみと憤りを感じています。
ウクライナ料理講座で伝える文化と現状
オーリャさんは、ウクライナの食文化を通して故郷への理解を深めてもらおうと、鈴鹿市内でウクライナ料理講座を開催しました。この講座は、単に料理を教えるだけでなく、戦禍のウクライナの現状を伝える場でもあります。参加者たちは、オーリャさんの故郷への想いに触れながら、ウクライナ料理を通して平和への願いを共有しました。
ボルシチに込められた想い
鮮やかな赤いスープが特徴のボルシチは、ウクライナの代表的な家庭料理。オーリャさんは、このボルシチを通して、ウクライナの豊かな食文化と、戦禍に苦しむ人々の現状を伝えたいと考えています。料理教室では、参加者と一緒にボルシチを作りながら、故郷の思い出や家族への想いを語り、平和への願いを共有しました。
鮮やかな赤いスープが特徴のボルシチ
手作り雑貨で支援の輪を広げる
オーリャさんは、エステティシャンとしての仕事の傍ら、得意の刺繍を施した雑貨やアクセサリーを制作・販売し、その収益を全額ウクライナの病院や児童施設に寄付しています。彼女は、「少しでも多くの命を救いたい、子供たちの未来を守りたい」という強い思いで、支援活動を続けています。
著名な料理研究家、佐藤先生は「食文化は、その国の歴史や文化を理解する上で非常に重要です。オーリャさんの活動は、ウクライナの人々の力強さと、平和への願いを伝える素晴らしい取り組みです。」と語っています。
平和への願いを込めて
オーリャさんの活動は、ウクライナへの支援だけでなく、平和の大切さを改めて考えるきっかけを与えてくれます。私たちは、彼女の活動を通して、遠い国の出来事としてではなく、私たち自身の問題としてウクライナ侵攻を考える必要があるのではないでしょうか。