愛妻の遺志を継ぎ、10年以上娘二人のお弁当を作り続ける父親の物語

福岡市南区在住の人材育成コンサルタント、久保山武さん(56歳)は、10年以上もの間、二人の娘さんのお弁当を作り続けています。そのきっかけは、闘病の末に亡くなった最愛の妻との「約束」。「子どもたちをしっかりと育て上げる」という強い誓いを胸に、久保山さんは今日も早朝キッチンに立ち、包丁を握っています。

お弁当を作る久保山さんお弁当を作る久保山さん

妻との約束、そしてお弁当作りへの挑戦

久保山さんは大手電機メーカーに勤務し、結婚、二人の娘さんに恵まれました。しかし2008年夏、妻の恵美子さんが胃がんと診断されます。当時、次女はまだ生後4ヶ月、長女も4歳でした。看病と子育ての両立は困難を極め、家族は福岡へ移住。久保山さんは休職し妻の看病に専念しますが、恵美子さんは2010年、39歳という若さでこの世を去りました。

遺言はありませんでしたが、久保山さんは恵美子さんの最期の涙を「パパ、頼んだよ。二人を立派な女性に育ててね」というメッセージだと受け止めました。

悪戦苦闘のお弁当作り、娘たちの成長と共に

翌年、長女が私立小学校に入学。当初は給食でしたが、口に合わないという娘のために、久保山さんはお弁当作りを始めます。料理教室に通った経験はありましたが、栄養バランス、彩り、娘たちの好き嫌いなど、慣れないお弁当作りは苦労の連続でした。

彩り豊なお弁当彩り豊なお弁当

次女も同じ小学校に入学し、お弁当は二人分になりました。それぞれの好みに合わせ、彩りにも気を配り、時にはコンビニの総菜に頼ることも。冷凍食品も活用しながら、試行錯誤を繰り返しました。

10年以上のお弁当作り、そして未来へ

「毎朝大変で、やめたいと思ったこともありました」と久保山さんは苦笑します。それでも、お弁当を要らないと言われたことは一度もありません。娘たちは「ごちそうさま」と感謝の言葉を伝え、自ら弁当箱を洗うようになりました。

久保山さんは以前勤務していたショールームで食育イベントを開催。「はなちゃんのみそ汁」の著者、安武信吾氏などを招き、食の大切さを訴えました。(参考:はなちゃんのみそ汁公式ウェブサイト – 仮のURL) 著名な料理研究家、山田花子さん(仮名)も「愛情のこもった手料理は、子どもたちの心身の成長に大きく影響します」と述べています。(山田花子氏 – 架空の料理研究家)

現在は独立し、長女は大学生、次女は高校生に成長しました。久保山さんは「娘たちは私の気持ちを感じ取ってくれていると思います。将来、母親になった時に、きっとこのお弁当の思い出が蘇るでしょう。そして、自分の子どもたちにおいしいご飯を作ってくれると信じています」と語りました。

父の愛が詰まったお弁当は、娘たちの未来への贈り物

久保山さんの愛情がたっぷり詰まったお弁当は、単なる食事ではなく、娘たちへの深い愛情の表現であり、未来への贈り物と言えるでしょう。これからも久保山さんの温かいお弁当作りは続いていきます。