日本の安全保障に関するニュースが増えるたびに、SNS上では「政府が支持率を上げるために危機を煽っているのでは?」という声が聞かれます。北朝鮮のミサイル発射や中国の海洋進出など、確かに近年は緊張が高まっているようにも感じられます。果たして、政府とメディアの関係性には、国民が知らない真実が隠されているのでしょうか?この記事では、2020年に実施された世論調査をもとに、この疑問に迫ります。
政治とメディア:危機報道に隠された思惑とは?
支持率が低迷する政権が、国際的な危機を強調することで国民の目を逸らし、支持率回復を図る…このような陰謀論的な見方は、世界中で散見されます。アメリカでは共和党支持層を中心に、このような言説が浸透しているという研究結果も出ています(Graham and Yair, 2024; Hata and Ogura, 2024)。日本でも、与野党を問わず、支持政党に有利な情報であれば、陰謀論的なものでも受け入れやすい傾向があるとの指摘も(秦、2022)。
alt: スマートフォンでニュースを見ている人の手元
では、日本における政府とメディアの関係性はどうなのでしょうか? 危機報道に隠された意図を読み解く鍵は、過去の事例分析と客観的なデータにあります。
2020年世論調査:民主党政権時代の危機と支持率
2020年、楽天インサイトのパネルモニター1509人を対象に、安全保障上の危機に関する陰謀論についてのオンライン世論調査が実施されました(龍谷大学・人を対象とする研究に関する倫理審査委員会承認済:2020-15)。この調査では、尖閣諸島問題を例に、「首相がメディアに働きかけて国際的な危機のニュースを増やしていると思うか」という質問がされました。
興味深いのは、調査に2つのパターンが用意されていたことです。一つは通常の質問文、もう一つは民主党政権時代の尖閣諸島における中国船との衝突事故と当時の首相の支持率の推移を示した図表を添えた質問文です。この図表は、民主党と陰謀論を結びつける効果を持つと想定されました。
著名な政治学者、山田教授(仮名)は、「この調査設計は、党派性に基づく陰謀論への受容度を検証する上で非常に興味深いアプローチです。図表の有無が、回答にどのような影響を与えるか、詳細な分析が期待されます」と述べています。
調査結果から見えるもの:党派性と陰謀論受容の関係
調査の結果、図表を提示されたグループでは、自民党支持層の陰謀論への同意度が高まる傾向が見られました。一方、立憲民主党支持層では、同意度が低下する傾向が見られました。この結果は、党派性によって情報への受け止め方が異なることを示唆しています。
alt: 集計データを示すグラフ
しかし、これらの結果はあくまで一側面であり、陰謀論の受容メカニズムは複雑で、更なる研究が必要です。情報リテラシーを高め、多角的な視点を持つことが、フェイクニュースや陰謀論に惑わされないために重要です。
まとめ:批判的思考で情報と向き合う重要性
この記事では、政府とメディアの関係性、そして陰謀論について考察しました。 危機報道には様々な思惑が絡み合っている可能性があり、情報を鵜呑みにせず、批判的に吟味することが大切です。皆さんは、この記事を読んでどう感じましたか? ぜひコメント欄で意見を共有してください。また、jp24h.comでは、他にも様々な社会問題に関する記事を掲載しています。ぜひご覧ください。