大阪府警の見当たり捜査員である42歳男性巡査部長が、泥酔状態で路上で寝ていたところ、リュックサックを盗まれ、中に保管していた指名手配犯の写真175枚が紛失するという事件が発生しました。11月は指名手配犯捜査強化月間であり、この事件は警察の威信を大きく損なうものとなっています。
泥酔状態での盗難事件
事件は、巡査部長が同僚と飲食店をはしごし、泥酔状態で路上で寝てしまった際に発生しました。リュックサックには、見当たり捜査に使用する指名手配犯の顔写真175枚が入っていました。防犯カメラには、不審な男がリュックサックを持ち去り、西成区内のごみ集積所に何かを捨てる様子が映っていました。
泥酔状態の再現
大阪府警は、西成区の無職の男を窃盗容疑で逮捕。男は「ごみ集積所に顔写真入りのポーチを捨てた」と供述しましたが、写真は発見されておらず、既に焼却された可能性もあるとのことです。
見当たり捜査のプロ集団からの流出
元徳島県警捜査一課警部の秋山博康氏によると、大阪府警の見当たり捜査員は「高速道路ですれ違った車を見ただけで容疑者を発見する」といったケースもあるほどのプロ集団とのこと。今回の事件について、秋山氏は「残念」とコメントしています。指名手配犯の顔写真が流出したことは、捜査に大きな支障をきたす可能性があり、今後の捜査への影響が懸念されます。
強化月間中の皮肉な事件
11月は指名手配犯捜査強化月間。全国で約590人の指名手配犯がいる中、この事件は警察にとって痛手となりました。皮肉なことに、11月には複数の指名手配犯が逮捕されています。例えば、岩手県花巻市の家電量販店でのゲーム機器窃盗事件の容疑者や、福岡県久留米市の住宅への強盗事件の容疑者などが逮捕されました。しかし、一方で新たな指名手配事件も発生しており、東京品川区のエステ店強盗未遂事件に関与したとされる男が全国に指名手配されています。また、大分県別府市の大学生ひき逃げ死亡事件の八田與一容疑者も依然として逃走中です。
情報提供の呼びかけ
警察は、今回の事件を受けて、市民への情報提供を呼びかけています。指名手配犯に関する情報提供は、最寄りの警察署、または匿名で情報提供できる窓口までご連絡ください。
指名手配ポスターの例
今回の事件は、警察内部の管理体制の甘さを露呈するものであり、再発防止策の徹底が求められます。 警察官一人ひとりが高い倫理観を持ち、職務の重要性を改めて認識することが重要です。