10月21日、高市早苗自民党総裁が日本の憲政史上初となる女性総理大臣に国会で指名され、歴史的な一歩を刻みました。しかし、この祝賀ムードの裏で、政治ジャーナリストの田原総一朗氏がテレビ番組で発した「あんな奴は死んでしまえ」という過激な発言が、深刻な物議を醸しています。本記事では、高市総理誕生までの苦難の経緯と、この「死んでしまえ」発言が巻き起こした波紋、そしてSNS上で噴出する批判について深く掘り下げます。
初の女性総理・高市早苗氏、苦難の道のり
10月4日の自民党総裁選で選出された高市総裁は、石破茂首相(当時)の退陣表明を受けて、引き締まった表情の中に喜びを隠せない様子でした。しかし、首相指名への道は平坦ではありませんでした。まもなく公明党が連立離脱を表明し、野党が連携すれば国会での首相指名が危ぶまれる事態に。「総理大臣になれないかもしれない、かわいそうな女です」と高市氏自身が自虐するほど、厳しい状況に追い込まれました。
その後、高市氏は国民民主党や日本維新の会などとの間で断続的な連立協議を続け、刻々と状況が変化する中、最終的に20日に日本維新の会と正式な連立合意に至りました。この合意により、ついに「高市早苗総理大臣」が誕生し、日本の政治史に新たなページが加わったのです。各テレビ局には連日、国民民主党の玉木雄一郎代表や日本維新の会の吉村洋文代表らが出演し、それぞれの持論を滔々と語る姿が見られました。
田原総一朗氏「死んでしまえ」発言の衝撃
そんな連立交渉が大詰めを迎えていた10月19日、BS朝日の『激論!クロスファイア』で、司会を務めるジャーナリストの田原総一朗氏が放った一言が大きな波紋を広げました。番組には自民党の片山さつき氏、立憲民主党の辻元清美氏、社民党の福島瑞穂氏がゲストとして出演。高市氏が総裁選直後に語った「ワークライフバランスは捨てる」発言に加え、「靖国神社参拝」や「選択的夫婦別姓」といった重要政策に対する“高市総理”の対応や考え方について活発な議論が交わされていました。
しばらくは聞き役に回っていた田原氏ですが、突然、「(高市氏に)反対すればいいじゃん」「あんな奴は死んでしまえと言えばいい」と発言しました。笑顔を浮かべていたものの、その言葉はあまりに不穏であり、スタジオには緊張が走りました。この過激な発言の背景には、2016年に総務相だった高市氏が、政治的公平性に欠く放送を繰り返す放送局に対し「電波を停止する可能性」に言及した国会答弁を巡り、田原氏と番組で激論を交わしたという過去の「遺恨」がある可能性も指摘されています。出演者から諌められても発言を続けようとしたことから、田原氏が確信犯的に発言したのではないかという見方も出ています。
激論番組で物議を醸した「死んでしまえ」発言をするジャーナリストの田原総一朗氏
SNSで沸騰する批判とフワちゃん騒動との比較
田原氏の「死んでしまえ」発言は、瞬く間にSNSで拡散され、批判が殺到する事態となりました。多くのユーザーが、2024年8月にタレントのフワちゃんがやす子氏に放った類似の発言を連想させると指摘しています。当時、やす子氏は自身のX(旧Twitter)に「やす子オリンピック 生きてるだけで偉いので皆 優勝でーす」とパリ五輪の感想を投稿。これに対しフワちゃんが引用リポストで「おまえは偉くないので、死んでくださーい 予選敗退でーす」と返信し、大炎上、芸能活動の休止を発表するに至りました。
このフワちゃんの「前例」があるだけに、X上では「フワちゃんがダメで、田原総一郎がokなのはおかしい」「そのワードで、フワちゃん追放されたんだからさ 田原総一郎も、これで終わりか」といった、田原氏への厳しく、そして二重基準を問う声が多数寄せられています。
91歳・田原氏の言論スタイルに「限界」の声
今回の発言について、田原氏からの謝罪の様子は今のところありません。かつてFLASH誌がおこなったアンケート調査で、「早く辞めたほうがいい」と思う司会者ランキングで2位になったこともある田原氏。当時も、「人の話をさえぎってばかりで議論が進まない」「気に入らないことがあるとすぐに大声を出す」といった批判が集まっていました。91歳という高齢になってもなお、独自の言論スタイルを貫く田原氏ですが、その激しい物言いが、もはや現代社会の求める公共性やデリカシーとは相容れないものとなりつつあるのかもしれません。
結論
高市早苗氏の日本初の女性総理誕生は、日本の政治史における重要な転換点です。その一方で、田原総一朗氏の過激な発言は、言論の自由と公共性、そしてメディアが持つ責任について、改めて私たちに深く問いかけています。新しい時代の幕開けにおいて、政治とメディア、そして社会全体がどのように言葉と向き合い、対話を構築していくのか、その行方が注目されます。
参考文献
- Yahoo!ニュース(記事元情報)
- SmartFLASH(田原氏に関する過去記事)
- 政治担当記者、芸能担当記者によるコメント