トランプ次期大統領、ウクライナ終戦案を複数検討か？今後の行方を読み解く

米大統領選で勝利を収めたトランプ氏が、ウクライナ紛争の終結に向け、複数の和平案を検討していることが明らかになりました。jp24h.comでは、政権移行チーム関係者の話として報じられたこのニュースを元に、それぞれの案の内容と今後の行方について詳しく解説します。

トランプ氏の「アメとムチ」戦略とは？

選挙戦中、「大統領になれば24時間でウクライナ戦争を終わらせる」と豪語していたトランプ氏。その言葉の裏には、「アメとムチ」戦略を用いてウクライナとロシアを交渉のテーブルに着かせようとする思惑があるようです。政権移行チーム関係者によると、現在３つの主要な和平案が検討されています。

ケロッグ氏案：現状凍結と安全保障の保証

元陸軍中将で、トランプ氏からウクライナ・ロシア担当特使に任命されたキース・ケロッグ氏が提案した案は、ウクライナ領内の現在の戦闘ラインを凍結し、米国がウクライナに安全保障を保証するというもの。合意が成立すれば、米国によるウクライナへの武器供与が拡大される可能性も示唆されています。

ウクライナ兵が対戦車地雷の設置準備を行う様子

バンス氏案：NATO加盟断念

次期副大統領のバンス氏が9月に策定した案は、ウクライナのNATO加盟を否定するもの。バンス氏は、米ポッドキャスト司会者に対して、既存の前線に非武装地帯を設け、「厳重に要塞化」することでロシアのさらなる侵攻を防ぐ構想も含まれている可能性が高いと語っています。上院議員時代からウクライナ支援に反対の立場をとってきたバンス氏の案は、今後の交渉に大きな影響を与える可能性があります。

グレネル氏案：東部に「自治区」設置

元国家情報長官代行で駐ドイツ大使を務めたグレネル氏は、7月のブルームバーグとの円卓会議で、ウクライナ東部に「自治区」を設置する案を提唱しました。しかし、具体的な内容については明らかにしていません。この案が実現すれば、ウクライナの領土保全に大きな影響を与える可能性があり、今後の展開が注目されます。

和平交渉実現への課題

次期政権の安全保障担当副補佐官に就任予定のセバスチャン・ゴルカ氏によれば、トランプ氏はプーチン大統領に対し、和平協議への参加を拒否すればウクライナに前例のない規模の兵器を供与すると脅し、交渉のテーブルに着かせる意向だと言います。

しかし、米国家情報会議（NIC）の国家情報職員を務めた経歴を持つカーネギー国際平和基金のユージーン・ルーマー氏は、ウクライナ東部での戦況が優勢なロシア側が、トランプ氏の要求に簡単に応じることはないと指摘。ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ東部4州の承認や、ウクライナのNATO加盟断念は譲れない要求だとし、「現実的な終戦計画は誰も持っていない」と述べています。

これらの和平案が、複雑な国際情勢の中でどのような影響をもたらすのか、今後の動向に注目が集まります。ウクライナ紛争の終結は、世界平和にとって喫緊の課題であり、関係各国による建設的な dialogue が求められています。