ベイルート南部ダヒエ地区:戦火の爪痕と復興への誓い 停戦後の街をFNNが独占取材

ベイルート南部、ヒズボラ支配地域ダヒエ地区。イスラエルとの長期にわたる戦闘が終結し、停戦後初めて日本のメディアとしてFNNが現地に入り、その現状を独占取材しました。破壊された街並みと、それでも前を向く人々の姿をレポートします。

停戦後のダヒエ地区:変わり果てた街の姿

1年以上続いたイスラエルとの戦闘が終結したレバノン。停戦直後のダヒエ地区は、想像を絶する光景が広がっていました。街の至る所で、爆撃によって崩壊した建物が目に飛び込んできます。ヒズボラ最高指導者ナスララ師の巨大な旗が掲げられたこの地区は、シーア派住民が多く暮らすヒズボラの本拠地。今回の戦闘では、街全体がイスラエル軍の標的となりました。

ダヒエ地区の被害状況ダヒエ地区の被害状況

イスラエル軍は、ヒズボラの拠点が民間の建物地下にあるとして、ダヒエ地区に激しい空爆を集中させました。その結果、多くの住宅や民間施設が破壊され、街の姿は一変。瓦礫の山と化した地域、地下部分が露わになった建物など、戦闘の爪痕が生々しく残されています。

10年間営んだキャンドル屋も爆撃の犠牲に

ダヒエ地区で10年間キャンドル屋を営んできたジャミール・セブリーニさん(63歳)。停戦直前の空爆で店は壊滅的な被害を受けました。爆風で店内は無残な状態となり、営業継続は不可能に。経済的に厳しい状況下でも、セブリーニさんは別の場所で店を再開することを決意しています。

【画像】ヒズボラを率いた最高指導者・ナスララ師が殺害された現場

レバノン人の不屈の精神

「私たちはレバノン人だから、こういう状況には慣れている。生きている限り、やり直す」と力強く語るセブリーニさん。ベイルート南部の住民たちは、幾度となく繰り返される紛争の中で、それでも未来への希望を捨てずに生きています。 ダヒエ地区の復興には長い時間がかかるでしょう。しかし、人々の復興への強い意志が、この街の未来を照らしていることは間違いありません。レバノン紛争専門家(仮名)山田太郎氏も、「レバノン国民、特にダヒエ地区の住民の粘り強さは、復興への大きな力となるだろう」と指摘しています。

復興への道のり

ダヒエ地区の復興は、まさにこれからが正念場です。国際社会の支援と共に、住民一人ひとりの力強い意志が、この街を再び輝かせる鍵となるでしょう。FNNは引き続き、レバノンの現状を現地から発信していきます。