日本経済は株価の乱高下、インフレの継続など、先行き不透明な状況にあります。このような時代において、私たち自身の資産を守るためにはどのような対策が必要なのでしょうか？本記事では、専門家の意見を交えながら、円安とインフレ時代に資産を守るためのヒントを探ります。
インフレはなぜ必要なのか？
グローバル経済のつながりを象徴するイメージ
「インフレのほうが良いとはどういうことか？」という疑問を持つ方もいるかもしれません。もし日本が経済的に鎖国状態であれば、インフレでもデフレでも大きな違いはないでしょう。しかし、現実には日本はエネルギーや食料を海外に依存しています。つまり、日本円は国際的なインフレに負けない購買力を維持する必要があるのです。
デフレ下では物価も賃金も上がらず、海外と比較して日本の購買力は低下し、国民の生活は苦しくなります。第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏は、「少なくとも海外に大きく遅れを取らない程度のインフレは必要」と指摘しています。グローバル経済の中で生き残るためには、インフレへの適切な対応が不可欠です。
円安とリパトリエーションへの期待
日本企業の海外投資とリパトリ
円安が進む中、注目されているのが「リパトリエーション」です。これは、企業が海外で得た利益を日本国内に戻すことを指します。これまで日本企業は海外で得た利益を海外に再投資する傾向がありましたが、円安によって円に戻すだけで利益を得られるようになりました。
エコノミストのエミン・ユルマズ氏は、リパトリエーションによって円安に歯止めがかかり、日本経済の活性化につながると期待を寄せています。政府もリパトリ減税などの政策を検討しているようですが、実現には至っていません。過去には財務省から「下品な政策」と一蹴されたこともあるそうですが、今後の動向が注目されます。
デフレ経済の課題
デフレ経済の悪循環
デフレ経済では、物価が下落するため消費者は購買意欲を減退させます。「今買わなくても、もっと安くなるだろう」という心理が働くためです。企業は売上が伸び悩み、設備投資や賃上げを控えるようになり、経済の停滞につながります。
永濱氏は、日本経済の現状を憂慮し、デフレ脱却の必要性を訴えています。消費を喚起し、企業の投資意欲を高めるためには、適切なインフレ率を維持することが重要です。
本記事では、円安とインフレ下における日本経済の課題と展望について、専門家の見解を交えて解説しました。これらの情報を参考に、ご自身の資産防衛戦略を検討してみてください。
