韓国政界に激震が走っています。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾訴追案が7日に採決される見通しの中、与党「国民の力」のハン・ドンフン代表が賛成に転じたことで、可決の可能性が急浮上しました。今後の韓国政局はどうなるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
弾劾訴追案可決のシナリオと今後の流れ
弾劾訴追案可決には国会議員の3分の2以上の賛成が必要です。最大野党「共に民主党」だけでは数が足りませんが、ハン代表の造反により、与党議員からの賛成票が加われば可決の可能性が出てきます。
可決された場合、尹大統領の職務は停止され、憲法裁判所が180日以内に罷免を判断します。罷免となれば、60日以内に大統領選挙が行われます。
alt 韓国国会の様子
今後の大統領選の行方を占う世論調査では、「共に民主党」のイ・ジェミョン代表が優勢との結果も出ており、韓国政局は大きな転換期を迎えています。
ハン・ドンフン代表:尹大統領との蜜月関係から造反へ
ハン代表は元検察官で、尹大統領とは検察時代からの先輩後輩の関係です。2016年には朴槿恵(パク・クネ)前大統領の国政介入事件を共に捜査し、文在寅(ムン・ジェイン)政権下では尹氏の側近として活躍しました。
しかし、文政権との対立により地方に左遷され、尹政権発足後に法務部長官、そして党代表に就任しました。尹大統領との蜜月関係にあったハン代表が、なぜ造反に転じたのでしょうか。
鍵を握るキム・ゴンヒ夫人と政治ブローカーの存在
ハン代表の造反の背景には、尹大統領の妻、キム・ゴンヒ夫人をめぐる疑惑が関係していると言われています。ハン代表はキム夫人の疑惑について捜査が必要との立場をとっており、大統領を守る姿勢の尹大統領と対立していました。
また、韓国メディアでは、政治ブローカーの存在も報じられており、政局の混乱に拍車をかけています。今後の捜査の進展によっては、更なる波紋が広がる可能性も否定できません。
韓国政治の混迷と国民の不安
尹大統領の弾劾訴追案をめぐる動きは、韓国政治の不安定さを浮き彫りにしています。今後の政局の行方は不透明で、国民生活への影響も懸念されます。
政治専門家のパク・ミンソク氏(仮名)は、「今回の事態は韓国政治にとって大きな試練だ。国民の信頼を取り戻すためには、透明性のある政治運営が不可欠だ」と指摘しています。
韓国の今後の動向に、世界中から注目が集まっています。