第4次安倍晋三再改造内閣が11日、発足した。19人の閣僚のうち、麻生太郎副総理兼財務相と菅義偉(すが・よしひで)官房長官をのぞく17人が交代し、顔ぶれは大きく変わった。しかも小泉進次郎環境相はじめ13人が初入閣。萩生田光一文部科学相ら安倍首相の側近も多い一方、永田町以外ではあまり知られていない新閣僚もいる。首相が「安定と挑戦」をキーワードとしたその19人の横顔を紹介する。
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≪副総理・財務・金融≫
□麻生太郎氏
■政権支える盟友 ゴルゴ愛読
第92代首相。祖父は吉田茂元首相、高祖父は大久保利通という華麗な閨閥(けいばつ)出身。自民党第2派閥の麻生派を束ね、安倍晋三首相の盟友として政権を「ど真ん中」から支える。国際情勢などを映す漫画「ゴルゴ13」を愛読。その気さくな人柄は「半径2メートルの男」とかつては称された一方、聴衆を楽しませようとするあまり、リップサービスが時に失言となるリスクもある。
≪総務≫
□高市早苗氏
■遠慮のない物言いで反発も
女性初の自民党政調会長、歴代最長の総務相、女性初の衆院議院運営委員長と、安倍首相の下で要職を務めてきた。大量の資料を持ち帰って深夜まで目を通し、まじめで責任感が強いが、前回の総務相時に放送局に電波停止を命じる可能性に触れた発言など、歯に衣(きぬ)着せぬ物言いが反発を受けることも多い。約2年ぶりの総務相復帰で、多難な総務行政での結果と実行力が注目される。
≪法務≫
□河井克行氏
■比の「慰安婦像」撤去に尽力
平成8年に衆院初当選。首相補佐官時代の28年、米大統領選でトランプ氏の勝利直後に訪米し、安倍首相との初会談へ露払い役を務めた。自民党総裁外交特別補佐としてもフィリピンの「慰安婦像」撤去に尽力。法務副大臣経験者で、司法改革に関する著書もある。故鳩山邦夫元総務相が主宰していた政策グループ「きさらぎ会」の主要メンバー。夫人は河井案里参院議員。