【ソウル共同】尹錫悦大統領の弾劾訴追案を巡る投票が7日行われた韓国国会。「何のために議員をしているんだ」。与党議員が可決を防ぐために退席する中、失望した野党議員らは絶叫した。国会前には、約15万人(警察推算)もの市民が集まり、「非常戒厳」を宣言した尹氏の弾劾を訴えた。
7日午後5時(日本時間同)に始まった本会議では、弾劾訴追案の前に別の法案の投票が行われた。これを終えた与党議員らは続々と退席。野党議員らは「少しでも良心があるなら(弾劾に)賛成してくれ」「出たら駄目だ」と大声を上げた。涙ぐむ議員もいた。
国会前には弾劾を求める市民らが昼ごろから参集。大学生の李抒ヒョンさん(21)は「尹氏は戒厳をもうしないと言ったが、信じられない」。大学教授の女性(45)は、戒厳令下で軍が市民を虐殺した1980年の光州事件に触れ「戒厳は市民を『殺すぞ』というものだ」と強調。
ソウル市内の別の場所では、保守系団体が尹氏の「守護」を訴える約2万人規模のデモを行った。