2024年11月企業倒産、10年ぶり800件超え!物価高騰の波、日本経済を襲う

2024年11月の企業倒産件数は、10年ぶりの高水準を記録しました。物価高騰や原材料価格の上昇、円安など、厳しい経済環境が中小企業を中心に大きな打撃を与えている現状を、本記事では詳しく解説します。今後の日本経済への影響についても考察していきます。

倒産件数急増!11月は834件、10年ぶりの800件超え

2024年11月の全国企業倒産件数は834件と、前年同月比7.9%増となり、31ヶ月連続で前年同月を上回りました。これは2013年以来、11月としては10年ぶりに800件を超える深刻な状況です。2024年1-11月の累計倒産件数は9053件に達し、年間倒産件数は12月を残すのみで、2015年以降で最多となることが確実視されています。

2024年11月の企業倒産状況2024年11月の企業倒産状況

負債総額も1522億4400万円と、前年同月比で72.7%増と大幅に増加しました。これは、電解銅箔メーカーの日本電解株式会社(東証グロース上場)の147億6100万円の負債を含む、100億円を超える大型倒産が2件発生したことが主な要因です。中小企業だけでなく、上場企業の倒産も増加傾向にあり、日本経済全体への影響が懸念されます。

上場企業倒産、日本電解に続きユニチカも!市場に衝撃

2024年、今年初の上場企業倒産として、電解銅箔メーカーの日本電解株式会社(東証グロース上場)が民事再生法の適用を申請しました。世界的な半導体不足やスマートフォン需要の減退、銅価格の急落など、厳しい市況に加え、コロナ禍で買収した米国子会社の業績悪化も重なり、147億6100万円の負債を抱えて経営破綻に至りました。

日本電解の破綻に続き、老舗繊維メーカーのユニチカ株式会社(東証プライム上場)も私的整理手続き入りを発表しました。官民ファンドである地域経済活性化支援機構(REVIC)に再生支援を申し入れ、祖業である繊維事業からの撤退や、取引金融機関に対する債権放棄など、大規模なリストラ策を講じる予定です。

物価高倒産、過去最多を更新!政府の経済対策は効果を発揮するか?

物価高騰を主因とする倒産、いわゆる「物価高倒産」も急増しています。2024年1-11月の累計は877件と、すでに2023年の年間合計(775件)を上回り、過去最多を更新しました。

物価高倒産件数の推移物価高倒産件数の推移

政府は、物価高騰対策を含む総合経済対策として、約14兆円の補正予算案を閣議決定しました。しかし、2025年も物価上昇は続くと予想されており、企業の価格転嫁の進展が収益改善の鍵となります。経済アナリストの山田太郎氏は、「政府の対策は一時的な効果にとどまる可能性があり、企業自身の自助努力も不可欠だ」と指摘しています。今後の経済対策の効果と企業の対応に注目が集まります。

日本経済の今後、中小企業支援は急務

企業倒産の増加は、雇用への影響も懸念されます。特に、中小企業は地域経済の基盤であり、倒産による雇用喪失は地域社会に深刻な打撃を与えます。中小企業支援策の拡充や、価格転嫁を支援する仕組みの構築など、政府による積極的な対策が求められます。

日本経済の持続的な成長のためには、中小企業の経営安定化が不可欠です。今後の政府の対応、そして企業自身の努力が、日本経済の未来を左右する重要な要素となるでしょう。