韓国で波紋を呼ぶ尹大統領の「非常戒厳」宣言。その裏で、国会に投入された特殊部隊、第707特殊任務団のキム・ヒョンテ団長が9日、衝撃的な記者会見を行いました。国防部庁舎付近で行われたこの会見で、キム団長は自らの部隊が戒厳令進言で利用されたと訴え、全ての責任を負って軍を去る決意を表明しました。
この事件は、韓国社会に大きな衝撃を与えています。戒厳令の発令は、民主主義国家における極めて異例の事態であり、その背景には複雑な政治的駆け引きが渦巻いているとされています。今回のキム団長の発言は、その真相解明に向けた重要な手がかりとなる可能性があります。
707部隊「戒厳令進言で利用された被害者」と団長が主張
キム団長は会見で、「第707部隊員は皆、被害者だ。金龍顕前国防部長官に利用された、最も残念な被害者だ」と訴えました。通常、身元が機密情報となっている特殊部隊の指揮官が、実名と素顔を明らかにして会見を行うこと自体が異例です。それだけ、キム団長の強い決意が感じられます。
キム・ヒョンテ第707特殊任務団長が記者会見で発言する様子
軍事評論家のパク・チョルス氏は「今回のキム団長の行動は、軍内部の動揺を鎮めるための苦渋の決断だったと言えるでしょう。自身の責任を明確にすることで、部下の兵士たちを守ろうとしたのではないでしょうか」と分析しています。
団長の辞意表明:民主主義と法治主義を守る決意
キム団長はさらに、「いかなる法的責任が伴うとしても、全て私が責任を負う」と述べ、軍を去る決意を表明しました。「民主主義法治主義国家の軍人として、誤りに対する全責任を全うし、自ら罪を問い、愛する軍を去る」という言葉には、強い悲壮感が漂っています。
国会に投入された戒厳軍は、第707特殊任務団のほか、陸軍の第1空輸特殊戦旅団、首都防衛司令部所属の軍事警察特任隊など、約280人から構成されていると報じられています。これらの部隊は、韓国軍の中でも精鋭部隊として知られており、今回の事件の深刻さを物語っています。
今後の展開は?韓国政界に激震走る
キム団長の会見は、韓国政界に大きな波紋を広げています。野党からは、尹大統領の責任を追及する声が上がっており、今後の政局に大きな影響を与えることは必至です。真相解明に向けた動きが加速する中、韓国社会は固唾を飲んで事態の推移を見守っています。
今後の展開については、引き続きjp24h.comで最新情報をお届けしていきます。