韓国野党「共に民主党」、尹政権退陣後の日米韓協力強化を強調

韓国で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の早期退陣の可能性が高まる中、次期政権を担う可能性のある革新系最大野党「共に民主党」が、日米韓協力の重要性を改めて強調しています。本稿では、共に民主党幹部、李彦周(イ・オンジュ)議員への独占インタビューに基づき、同党の外交政策、特に日韓関係へのスタンスについて詳しく解説します。

非常戒厳解除後、米バイデン政権と「緊密な対話」

李彦周議員は、産経新聞の取材に対し、共に民主党が非常戒厳解除後、米バイデン政権側と「非常に緊密な対話」を進めていると明言しました。「韓日関係、韓米日協力の重要性を十分に認識している」とも述べ、日韓関係の改善に意欲を示しました。李議員は党最高委員の一人で、次期大統領候補として名前が挙がる李在明(イ・ジェミョン)党代表に近い人物として知られています。

李彦周議員のインタビューの様子李彦周議員のインタビューの様子

尹大統領の非常戒厳宣布は「テレビのニュースで知った」

李議員は、尹大統領による非常戒厳宣布を「テレビのニュースで知った」と語り、事前の情報は一切なかったと証言。戒厳宣布後の緊迫した状況を振り返り、「もう少し遅れれば国会に入れなかっただろう」と述べました。当時の混乱ぶりを物語る貴重な証言と言えるでしょう。

与党の弾劾回避は「時間稼ぎ」

与党「国民の力」は、大統領弾劾訴追案の採決を欠席。これに対し、李議員は「ただの時間稼ぎ」だと批判。「次期大統領選を少しでも有利に展開させる狙い」があると分析しました。今後の政局を占う上で重要な発言です。

野党への批判に反論、今後の政局運営に言及

国会を主導する野党に対し、責任追及を強める一方で事態収拾の現実的な方策を提示しないとの批判が出ていることについて、李議員は「尹大統領が2度目の戒厳宣布を行う可能性が排除できなかった」と釈明。今後、安全保障や外交、経済政策に関する政府・与党との協議体作りを急ぐ考えを示しました。

韓米同盟、韓米日協力の重要性を強調

「韓米同盟は極めて重要であり、同盟が重視する韓米日関係も非常に大切だ」と李議員は強調。共に民主党への政権交代が日米韓協力に悪影響を及ぼすとの見方を否定しました。むしろ、尹氏の戒厳宣布が「韓国の国際的なイメージを傷つけた」と主張しました。韓国の外交政策における日米との関係構築を重視する姿勢が明確に示されています。

専門家の見解

国際政治アナリストの加藤氏は、「李議員の発言は、共に民主党が政権交代後も現実的な外交路線を維持する意思を示すもの」と分析。「日米韓協力の重要性を認識していることは、北朝鮮の脅威が高まる中、地域の安定にとってプラス材料となる」と指摘しました。(※加藤氏は仮名)

まとめ

李彦周議員のインタビューからは、共に民主党が尹政権退陣後の政権運営において、日米韓協力を重視する姿勢が明確に示されました。今後の韓国政治、そして日韓関係の行方に注目が集まります。