作家イ・ジソン氏、尹大統領の「非常戒厳」失敗に嘆くも趣旨は支持

韓国でビリヤード選手チャ・ユラムさんの夫として知られる作家のイ・ジソン氏が、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による「非常戒厳」措置について、失敗に嘆きながらもその趣旨には賛同する立場を表明し、波紋を広げています。

イ・ジソン氏、YouTubeで持論展開

イ氏は自身のYouTubeチャンネルで、「尹大統領よくやった。男らしい。かっこいい」というテロップ付きの動画を公開。非常戒厳によって日常生活が混乱している現状を認めつつも、「尹大統領の非常戒厳は法に背いていない。大統領固有の権限だ」と主張しました。

altalt国民の力に入党したチャ・ユラム選手(2022年5月撮影)

野党に対しては、「お前らのせいで戦時状態だ」「朴槿恵大統領を弾劾したことが反乱ではないというのか」と痛烈に批判。非常戒厳の趣旨自体は正しかったとし、「尹大統領の戒厳が失敗し、とても残念だが、戒厳の趣旨は正しいしよくやった」と述べました。

国民の理解不足を指摘

一方で、イ氏は「国民の最大90%は尹大統領が何の話をしているのか全く分からなくて、それが残念だ」と国民の理解不足を指摘。「大統領の話を理解できない国民はさらに増えるだろう。だから右派が滅亡すると言っているのだ」と続けました。

医療陣への処罰は批判も、金建希夫人擁護は支持

イ氏は、医療陣を処罰する布告令については「せっかく残っていたエリート右派集団をなぜたたき潰すのか。それを除けば全てよくやった」と批判的な見解を示しました。

しかし、金建希(キム・ゴンヒ)夫人をかばうために戒厳令を宣布したという主張に対しては、「男なら自分の女を守るべきだ」「自分の妻すら守れない大統領が国を守れるだろうか」と擁護。「私でも同じようにするだろう。自分の家族や女を守るべきだ。それこそがかっこいい男だ」と語りました。

altaltイ・ジソン氏

「救国の英雄」への夢破れる

イ氏は「ただ失敗してしまったのが残念だ。私の夢はそれだった」と語り、「救国の英雄がヘリコプターに乗って国会に行き、北朝鮮や中国と内通するスパイを全員捕らえ、その証拠を全世界に公表して、自由な大韓民国を再び立ち上げることだった」と壮大な構想を明かしました。

そして、「戒厳が成功していれば、大韓民国の経済は、為替レートが上昇する影響で一時的に悪化するかもしれないが、その過程を経てこそ大韓民国が前向きにうまくいくのだ。大韓民国が生き返るのだ」と尹大統領への期待を表明しました。

イ氏の発言は、韓国社会で大きな議論を巻き起こすと予想されます。今後の展開に注目が集まります。