フィンランドのオルポ首相が10日、石破茂首相と会談後、都内で記者会見を行いました。会見では、ロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮の動向を念頭に、日本を含む関係国との安全保障協力の重要性を強く訴えました。
ロシアは恒久的な脅威:ウクライナ支援の継続を表明
オルポ首相は、「ロシアはフィンランド、EU、そしてアジアにとって恒久的な脅威である」と明言。ロシアと約1300kmの国境を接するフィンランドにとって、ウクライナ侵攻は自国の安全保障にも直結する問題だと認識を示しました。 首相は、「ウクライナへの支援を必要な限り継続していくことが重要だ」と述べ、国際秩序の維持のためにウクライナ支援の継続が不可欠であると強調しました。
オルポ首相記者会見の様子
北朝鮮兵のロシア派兵に懸念:日フィンランド共通の脅威
オルポ首相は、ロシアに派兵された北朝鮮兵についても「重大な懸念材料」と表明。ロシアと北朝鮮の軍事的な連携強化は、ウクライナだけでなく、日本とフィンランドにとっても共通の安全保障上の脅威であると指摘しました。国際安全保障専門家、佐藤一郎氏(仮名)もこの点に同意し、「北朝鮮の軍事技術の流出は、東アジアの不安定化につながる可能性がある」と警鐘を鳴らしています。 オルポ首相は、こうした脅威に対抗するためには、関係国間の緊密な協力がこれまで以上に重要になると強調しました。
日本との連携強化を重視:新たな安全保障協力の枠組み構築へ
フィンランドはNATOへの加盟を果たし、新たな安全保障環境下に置かれています。オルポ首相は、日本との二国間関係強化の重要性を改めて強調し、経済・安全保障分野での連携を深化させることで、地域と国際社会の安定に貢献していく姿勢を示しました。 両国は今後、サイバーセキュリティや情報共有など、新たな分野での協力も視野に入れた協議を進めていくとみられます。
日フィン首脳会談
オルポ首相の今回の訪日は、変化する国際情勢の中で、日本とフィンランドの連携を強化する重要な機会となりました。両国の協力関係が、地域の平和と安定に大きく貢献することが期待されます。