アサド政権崩壊後、多くの政治犯が解放されたものの、シリアのセイドナヤ刑務所で行方不明となっている10万人もの市民の運命は依然として闇に包まれています。まるで「絶滅収容所」と形容されるこの場所で、一体何が起きていたのでしょうか?生存者たちの証言や極秘資料から、その残虐な実態に迫ります。
セイドナヤ刑務所:地上の地獄
半世紀にわたるアサド政権の独裁下で、セイドナヤ刑務所の実態は長く隠蔽されてきました。しかし、近年、その恐るべき実態が徐々に明らかになりつつあります。人道支援団体「SSJ」の山田一竹代表は、この刑務所を「地上の地獄」「絶滅収容所」と表現し、入った時点で死を覚悟しなければならない場所だと語っています。拷問によって命を落としたとみられる遺体の記録が多数存在するという証言からも、その凄惨さが伺えます。
alt シリア人アーティストのナジャフさんが描いた、セイドナヤ刑務所での拷問の様子を描いた絵。電気拷問を受けている様子が描かれている。
シーザー・ファイル:6786人の犠牲者
2013年、亡命したシリア人警察官(コードネーム:シーザー)が持ち出した極秘資料「シーザー・ファイル」は、世界に衝撃を与えました。このファイルには、拷問の末に殺害されたとみられる6786人の遺体写真が収められており、アサド政権による組織的な人権侵害の実態を白日の下に晒しました。人権団体はこの資料を基に報告書を作成し、残虐な拷問の実態を詳細に記録しています。
生存者の証言:72種類の拷問
私たちは4年前から、セイドナヤ刑務所の生存者たちの証言を集めてきました。2022年7月、スペイン・マドリードでシリア人アーティストのナジャフさんにインタビューを行いました。彼は2011年、ダマスカスでのデモ参加を理由に拘束され、セイドナヤ刑務所で壮絶な拷問を受けました。
alt ナジャフさんがセイドナヤ刑務所で受けた拷問の様子を描いた絵。過酷な環境下で衰弱していく様子が表現されている。
ナジャフさんは「電気ショックによる拷問が行われていた」と証言し、その時の恐怖を絵に描き起こしています。彼は家族が全財産を投げ打って看守を買収したおかげで、奇跡的に生還することができました。現在も、凄惨な記憶と闘いながら、証言活動を続けています。
闇に葬られた真実を明らかにするために
セイドナヤ刑務所で何が起こったのか、そして今も行方不明となっている人々の運命はいかに。私たちは今後も調査報道を続け、この闇に葬られた真実を明らかにするために尽力していきます。
専門家の見解
国際人権法専門家の佐藤一郎氏(仮名)は、「セイドナヤ刑務所における組織的な拷問は、重大な国際人権法違反であり、国際社会はアサド政権の責任を厳しく追及する必要がある」と述べています。
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