韓国戒厳宣言の舞台裏:尹大統領、国務委員の反対を押し切り強行発表

韓国で2024年、尹錫悦大統領が戒厳宣言を強行した舞台裏で、国務委員からの強い反対があったことが明らかになりました。本記事では、当時の緊迫した状況と、国務委員たちの抵抗、そして検察の捜査の進展について詳しく解説します。

国務会議での抵抗:外交部長官、数回に渡り反対も無視される

尹大統領が戒厳宣言直前に開いた深夜の国務会議は、わずか数分で終了。通常の会議手続きは省略され、尹大統領は一方的に戒厳宣言を通知したとされています。出席した国務委員たちは、この強行姿勢に驚きと戸惑いを隠せませんでした。

中でも、趙兌烈外交部長官は尹大統領に対し、戒厳宣言が外交関係に及ぼす悪影響や、韓国が築き上げてきた国際的な信頼を失墜させる可能性を強く懸念し、再考を促しました。しかし、尹大統領はこれらの訴えに耳を貸さず、席を立とうとしたのです。

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趙長官は諦めず、尹大統領の後を追いかけ、再度戒厳宣言の撤回を懇願しましたが、これも無視されました。尹大統領はそのままブリーフィングルームへ移動し、戒厳宣言を発表したのです。この一連の行動は、尹大統領が国務会議を形式的な手続きとしか捉えていなかったことを示唆しています。

司法のメス:国務委員への捜査拡大、内乱罪適用も視野に

現在、検察は戒厳宣言に関与した国務委員11人への召喚調査を進めています。韓悳洙首相、金竜顕前長官、李祥敏前長官の3人には既に内乱罪の容疑が適用されています。検察は国務会議での発言内容や、戒厳宣言への関与の度合いを詳細に調べており、他の国務委員にも内乱罪が適用される可能性があります。

12日には、曺圭鴻保健福祉部長官が検察の事情聴取を受けました。これは、国務委員に対する初めての調査となります。検察は曺長官に対し、国務会議への出席経緯や、尹大統領と国務委員たちの発言内容などを詳しく尋ねました。

情報司令部の動き:選管委への進入、その真意は?

検察は中央選挙管理委員会にも調査に入り、戒厳宣言当日の情報司令部の動きを調べています。情報司令部の将校が選管委に進入し、システムを撮影していたことが判明しており、その目的や背景について解明を進めています。選管委システムへのアクセス記録や、関係者への聞き取り調査などを通じて、真相究明を目指しています。

今後の展開:真相解明と責任追及が焦点

尹大統領による戒厳宣言の強行は、韓国社会に大きな衝撃を与えました。国務委員たちの抵抗も虚しく、戒厳宣言が発表された経緯には、いまだ多くの謎が残されています。検察の捜査によって、真相が解明され、関係者の責任が明確になることが期待されます。今後、どのような事実が明らかになるのか、注目が集まっています。