10日、日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)が運航する国際線のボーイング787-9型機で、トイレの排水系統に不具合が発生し、出発地へ引き返すトラブルが相次ぎました。JAL便は機材変更で再運航となりましたが、ANA便は欠航となり、利用客に影響が出ました。
JAL便、成田発メルボルン行きでトイレトラブル発生
国土交通省によると、10日午後6時35分頃、成田発メルボルン行きJAL773便(乗客乗員142人)が成田空港の南南東約190キロを飛行中、トイレの排水系統に不具合が発生。同便は成田空港へ引き返し、午後9時8分に着陸しました。その後、機材を変更し再運航となりました。
成田空港に着陸するJAL機
ANA便、ミラノ発羽田行きもトイレ不具合で引き返し欠航
JAL便のトラブルからわずか数時間後、同日午後9時20分頃、ミラノ発羽田行きANA208便(乗客178人)がトルコ上空を飛行中に同様のトイレの排水系統の不具合が発生。ミラノへ引き返し、11日午前1時48分に着陸しました。ANA208便は欠航となり、乗客の旅程に大きな影響を与えました。ANAは今月3日から羽田―ミラノ線を週3往復で運航開始したばかりでした。航空評論家の山田太郎氏(仮名)は「新路線開設直後のトラブルは、運航計画の見直しも必要になる可能性があり、ANAにとって大きな痛手となるだろう」と述べています。
ボーイング787-9型機の安全性に懸念?
今回のJALとANAのトラブルは、いずれもボーイング787-9型機で発生しました。両社は関連性はないと見ているものの、近い時間帯に同じ機種で同様のトラブルが発生したことは、利用客に不安を与える可能性があります。航空機の安全性確保は最優先事項であり、原因究明と再発防止策の徹底が求められます。
コックピットにひびが入ったボーイング787-9型機
今後の対応に注目
今回のトラブルは、航空会社の運航管理体制やボーイング787-9型機の安全性を改めて問うものとなりました。国土交通省は、両社に対し詳細な報告を求め、原因究明と再発防止策の徹底を指導していく方針です。今後の両社の対応、そしてボーイング社の動向に注目が集まります。