韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する2度目の弾劾訴追案が14日に採決されるのを前に、緊迫した状況が続いています。非常戒厳の発令を巡り、国民の力党内からも造反の動きが広がり、可決ラインに届くかどうかに注目が集まっています。さらに、警察トップの逮捕という衝撃的な展開も加わり、韓国政界は混迷を深めています。
非常戒厳発令と弾劾訴追案の背景
今回の弾劾訴追案は、野党6党が共同で提出しました。尹大統領が憲法で保障された戒厳宣布権を乱用し、内乱罪を犯したと主張しています。 弾劾訴追案の可決には、国会在籍議員300人の3分の2以上の賛成が必要です。与党・国民の力からは少なくとも8人の造反が必要となるため、予断を許さない状況です。
韓国国会の様子
与党内の造反劇と今後の展開
国民の力党内では、韓東勲(ハン・ドンフン)代表が弾劾案への賛成を呼びかけており、複数の議員が賛成の意向を示しています。しかし、尹大統領に近い権性東(クォン・ソンドン)院内代表は反対の姿勢を表明しており、党内は分裂状態にあります。 今後の情勢次第では、韓国政界に大きな地殻変動が起こる可能性も否定できません。
警察トップ逮捕の波紋
13日には、警察トップである趙志浩(チョ・ジホ)警察庁長官と金峰埴(キム・ボンシク)ソウル警察庁長官が逮捕されました。尹大統領の逮捕状請求や事情聴取、公邸の家宅捜索なども検討されていると報じられており、警察の捜査の行方が注目されます。「今回の警察トップの逮捕は、韓国政治史上に残る大きな出来事となるでしょう」と、政界に詳しいA氏(仮名)は語っています。
弾劾訴追案採決の行方
弾劾訴追案が可決された場合、尹大統領は職務停止となり、憲法裁判所による審理が行われます。憲法裁判所が弾劾を認めた場合、大統領職を罷免されることになります。 一方、否決された場合は、尹大統領は職務を続けることになりますが、国民の信頼を失墜させたまま政権運営を続けることは困難を極めるでしょう。
韓国国会の勢力図
今後の韓国政界の展望
14日の弾劾訴追案採決は、韓国政界の今後を大きく左右する重要な局面となります。可否に関わらず、韓国社会に大きな影響を与えることは間違いありません。「今後の政局の安定のためにも、国民の声に耳を傾け、真摯な対応が求められる」と、政治評論家のB氏(仮名)は指摘しています。 今後の展開から目が離せません。