韓国大統領弾劾可決!ソウルの街に歓声と不安が交錯

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾訴追案が2024年12月14日に国会で可決されました。ソウルでは、国会前に集まった約20万人の市民から歓声が上がる一方で、観光業への影響や日韓交流の今後を懸念する声も広がっています。今後の韓国情勢、そして日韓関係はどうなるのでしょうか。

弾劾可決の余波:歓喜と不安の狭間で

弾劾訴追案可決の知らせを受け、ソウル・汝矣島(ヨイド)の国会前には多くの市民が集まり、歓声と「退陣しろ」というシュプレヒコールが響き渡りました。警察官も多数配置され、雑踏事故への警戒が強まる中、市民の喜びと不安が入り混じる複雑な空気が街を包みました。

ソウル国会前で歓喜する市民ソウル国会前で歓喜する市民

ソウル中心部の繁華街・明洞(ミョンドン)では、カフェ経営者の男性(64歳)が「一刻も早い収束を願う」と語りました。戒厳令以降、外国人観光客が半減し、売り上げも大幅に減少しているとのこと。焼き肉店のムン・ビョンヨルさん(69歳)も客足への影響を心配し、事態の早期正常化を切望しています。

日韓交流への影響:先行き不透明な状況

日韓交流への影響も徐々に現れ始めています。岡山県と韓国・慶尚南道(キョンサンナムド)は友好交流協定を結んで15周年を迎えますが、今月予定されていた慶尚南道訪問団の来日は中止となりました。来月中旬には伊原木隆太岡山県知事が慶尚南道を訪問する予定ですが、今後の情勢次第では計画変更も避けられないかもしれません。

公益財団法人「日韓文化交流基金」(東京)の岩本高明広報部長は、「今後の見通しが立たず不安だ」と心境を吐露。来年3月に予定されている大学生約90名の韓国派遣についても、情報収集を続けながら状況を見守る姿勢を示しました。

民間交流の継続を願う声

NPO法人「LSHアジア奨学会」(東京)は、日韓の架け橋となる人材育成のための奨学金事業を継続していく方針です。新井時賛副会長は、「誰が大統領になろうとも、民間交流に大きな影響が出ないよう、日韓の友好関係を支える人材を育て続けたい」と力強く語りました。

2001年にJR新大久保駅で起きた事故で、線路に転落した日本人男性を救おうとして亡くなった韓国人留学生、李秀賢(イ・スヒョン)さんの遺志を継ぎ、同奨学会は日本語学校で学ぶアジアからの留学生に奨学金を提供しています。

今後の韓国情勢は予断を許さない状況ですが、日韓の民間交流が途絶えることなく、両国の友好関係が維持されることを願うばかりです。