家の屋根を点検させてほしい、そんな一見親切な申し出から始まる「屋根点検詐欺」。近年、手口が巧妙化し、被害が急増しています。この記事では、屋根点検詐欺の最新の実態と、私たちが身を守るための効果的な対策を詳しく解説します。
屋根点検詐欺の実態:巧妙化する手口
屋根点検詐欺は、訪問販売を装って高齢者宅などを狙う悪質な犯罪です。「屋根が傷んでいる」「無料で点検します」といった言葉で近づき、点検と称して屋根に上がり、実際には存在しない破損をでっち上げて高額な修理費を請求します。
トクリュウの関与と闇名簿の存在
元警視庁刑事で防犯コンサルタントの吉川祐二氏によると、この詐欺には「トクリュウ」と呼ばれる組織が関与しているケースも少なくないといいます。彼らにとってリフォーム詐欺は、金銭を騙し取るだけでなく、個人情報を収集する手段でもあります。こうして作られた「闇名簿」には、家族構成や一人暮らしの情報などが記録され、さらなる犯罪に利用される危険性があります。
屋根の点検
還付金詐欺との関連性
吉川氏はさらに、トクリュウが「還付金詐欺」にも手を染めていると指摘します。役所の職員を装い、「税金や保険料が戻ってくる」と偽って口座番号や暗証番号を聞き出す手口です。屋根点検詐欺と同様に、巧妙な話術で高齢者を騙し、金銭を奪い取ります。
効果的な対策:不審な訪問者への対応
詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリストの多田文明氏によると、首都圏で発生した闇バイト強盗事件の中には、事前にリフォーム業者に高額な費用を騙し取られていたケースもあったそうです。闇名簿に登録された個人情報は、こうした凶悪犯罪の標的にされる可能性を高めます。
応対しないことが最善の対策
元神奈川県警刑事の小川泰平氏は、不審な訪問者には応対しないことが最も重要だと強調します。高齢者の場合、「息子がいないので」などと理由をつけて断るのが有効です。
警察への通報
万が一、不審な業者を家に入れてしまった場合は、すぐに警察に通報しましょう。早期の通報が、被害の拡大を防ぐことに繋がります。
まとめ:自分と家族を守るために
屋根点検詐欺は巧妙な手口で私たちを狙っています。大切なのは、不審な訪問者には決して応対しないこと、そして少しでも怪しいと感じたらすぐに警察に通報することです。これらの対策を心掛け、自分自身と家族を守りましょう。