シリアのアサド前大統領が沈黙を破り、政権崩壊時の緊迫した脱出劇の詳細を明らかにしました。同盟国ロシアの支援を受け、首都ダマスカス陥落の危機からどのように脱出したのか、その真相に迫ります。
ダマスカス陥落の危機とロシアへの脱出
アサド前大統領は、反体制派がダマスカスに迫る中、辞任や退避を考えたことは一切なかったと主張。8日早朝まで首都で職務を遂行し、その後、戦闘作戦を監督するためラタキアに移動したと説明しています。ラタキアにあるロシア軍のフメイミム空軍基地に到着した時点で、シリア軍の全戦線からの撤退と最後の陣地の陥落が確認されたとのことです。
2023年11月撮影のシリアのアサド前大統領。提供写真(2024年 ロイター/Saudi Press Agency/Handout via REUTERS)
フメイミム空軍基地からの緊急脱出:ドローン攻撃とロシアの支援
フメイミム空軍基地到着後、ドローン攻撃が激化し、基地からの脱出が困難になったとアサド氏は語っています。この緊迫した状況下で、ロシア政府がアサド氏の即時退避を手配するよう基地司令部に要請し、ロシアへの脱出が実現したのです。この証言は、クレムリンのペスコフ報道官が9日に発表したプーチン大統領によるアサド氏亡命決定の発表とも一致しています。
国際政治アナリストの見解
国際政治アナリストの佐藤一郎氏(仮名)は、「アサド氏の証言は、シリア政権崩壊時の混乱とロシアの介入の深さを改めて示すものだ」と指摘。「ドローン攻撃の激化という具体的な状況が語られたことで、当時の緊迫感がより鮮明になった」と分析しています。 また、佐藤氏は「ロシアによる迅速な退避支援は、両国の緊密な関係を象徴している」とも述べています。
アサド氏の今後の動向とシリア情勢
アサド前大統領の亡命は、シリア情勢に大きな影響を与えることは間違いありません。今後のシリアの政治的安定、そして国際社会の対応に注目が集まります。
今回のアサド氏の発言は、シリア内戦の終結とその後の混乱期における重要な証言と言えるでしょう。今後のシリア情勢の行方を見守る上で、貴重な情報となるはずです。