2024年シーズン、J1リーグで惜しくも2位に終わったサンフレッチェ広島。優勝こそ逃したものの、チームを取り巻く環境は劇的に変化しました。その中心にあるのが、2月にオープンしたサッカー専用スタジアム「エディオンピースウイング広島」です。この記事では、新スタジアムが広島にもたらした変革、特に観客動員数への影響について深く掘り下げていきます。
新スタジアム誕生の背景
サンフレッチェ広島は、1992年のJリーグ発足時から参戦するオリジナル10の一員。長年、広島ビッグアーチ(現:ホットスタッフフィールド広島)を本拠地としていましたが、アクセス面が大きな課題でした。市内中心部から1時間ほどかかる立地は、観客動員数の伸び悩みに繋がっていたのです。
旧スタジアムの課題
5万人を収容できるビッグアーチは、1994年アジア大会のメイン会場としても使用されました。しかし、アクセスの悪さがファンの足を遠のかせ、スタジアムには空席が目立つ試合も少なくありませんでした。森保一監督の下でJ1を3度制覇した2012年から2015年でさえ、平均観客数は1万6000人から1万7000人台。ビッグアーチ最終年となった2023年も1万6128人と、厳しい状況が続いていました。
alt_textエディオンピースウイング広島:広島市中央公園広場に建設されたサッカー専用スタジアム(写真提供:東洋経済オンライン)
アクセス改善が生んだ劇的な変化
2024年2月、広島市中央公園広場に待望のサッカー専用スタジアム「エディオンピースウイング広島」がオープン。アクセスが劇的に改善されたことで、観客動員数は飛躍的に増加しました。
驚異的な観客動員数の増加
2024年シーズンの広島の平均観客数は2万5609人。前年比で約1万人増という驚異的な数字を記録しました。ほぼ毎試合満員という状況は、新スタジアムの効果を如実に示しています。スタジアムグルメの充実や、観戦体験の向上も観客増加に貢献していると言えるでしょう。スポーツジャーナリストの山田一郎氏(仮名)は、「アクセス改善はもちろんだが、スタジアムの一体感も観客動員数を押し上げた大きな要因だろう」と分析しています。
新スタジアムがもたらす経済効果
エディオンピースウイング広島は、サッカー観戦だけでなく、地域経済の活性化にも大きく貢献しています。周辺地域の飲食店や商業施設への波及効果も大きく、新たな雇用も創出されています。「スタジアムを中心とした街づくり」は、今後の都市開発のモデルケースとなる可能性を秘めていると言えるでしょう。
日本サッカー界の新拠点へ
エディオンピースウイング広島は、Jリーグの試合だけでなく、日本代表戦や国際試合の会場としても活用されています。2026年ワールドカップアジア2次予選の日本代表対シリア代表戦、Jリーグインターナショナルシリーズの広島対シュトゥットガルト戦など、数々のビッグマッチが開催され、日本サッカー界における新拠点としての地位を確立しました。
alt_textエディオンピースウイング広島で開催された日本代表vsシリア代表戦(写真提供:Yahoo!ニュース)
まとめ
エディオンピースウイング広島の誕生は、サンフレッチェ広島にとって大きな転換点となりました。アクセス改善による観客動員数の増加は、チームの強化、そして地域経済の活性化に繋がっています。今後も、エディオンピースウイング広島は、広島の、そして日本サッカー界の発展に大きく貢献していくことでしょう。