イ・ジェミョン氏、大統領選出馬への強い意志と司法リスクの狭間で揺れる韓国政局

韓国最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が、公職選挙法違反裁判の判決を前に、大統領選出馬への強い意志を改めて示唆しました。司法リスクを抱えながらも政治活動を継続する姿勢は、今後の韓国政局に大きな波紋を広げそうです。

司法リスクと大統領選への思惑

李代表は公職選挙法違反の疑いで1審で懲役1年、執行猶予2年の判決を受けています。刑が確定すれば被選挙権が10年間剥奪されるため、次期大統領選への出馬は不可能となります。しかし、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の弾劾訴追案が国会で可決されたことで、早期大統領選挙の可能性が高まり、李代表の政治生命はまさに時間との戦いとなっています。

韓国野党代表の李在明氏韓国野党代表の李在明氏

李代表は自身の裁判について「無罪推定の原則に基づき合理的な結論が出てくるはず」と主張し、司法リスクへの懸念を払拭しようと試みています。しかし、政界では「李代表の大統領選プランは選挙法違反2審との時間の争い」との見方が強く、今後の裁判の行方が注目されています。

裁判日程と選挙日程のせめぎ合い

曹喜大(チョ・ヒデ)大法院長は選挙法裁判に関して「6・3・3原則」(1審6カ月、2審3カ月、3審3カ月以内での判決宣告)の遵守を強調しています。この原則に従えば、李代表の2審判決は来年2月、3審判決は来年5月となる見込みです。

民主党内では、李代表が2審判決前に大統領選候補に確定した場合、裁判所が裁判日程を先延ばしする可能性に期待を寄せています。政治への影響を懸念し、裁判所が判断を保留するシナリオも想定されます。

専門家の見解

仁川大学のイ・ジュンハン政治外交学科教授は、「裁判所は政治的中立性を保つため、選挙に影響を与えるような判断は避けようとするだろう」と分析しています。また、李代表側も弁護士選任を遅らせるなど、裁判の遅延を図る戦略を取る可能性があると指摘しています。

韓国政局の行方

李代表の司法リスクと大統領選出馬の行方は、今後の韓国政局を大きく左右する重要な要素となるでしょう。共に民主党は、党の命運をかけたこの難局をどのように乗り越えていくのか、国民の関心は高まるばかりです。早期大統領選挙の可能性も視野に入れ、今後の動向を注視していく必要があります。