ロシアのプーチン大統領は16日、国防省幹部拡大会議で、ウクライナ紛争においてロシア軍が全戦線で優位に立っていると主張しました。本記事では、プーチン大統領の発言内容、国防省の見解、そしてロシア軍のICBMに関する最新情報を詳しく解説します。
プーチン大統領の発言:ウクライナでの「特別軍事作戦」の進捗
プーチン大統領は、2024年は「特別軍事作戦」の目標達成に向けて画期的な年になると宣言し、今年だけでウクライナの村189カ所を占領したと発表しました。この成果は、志願兵の増加によるものだとし、契約入隊者数が昨年は30万人余りだったのに対し、今年はすでに43万人に達し、一日平均1000人のペースで増加していると強調しました。
プーチン大統領
ロシア国防省の見解:ウクライナ軍の甚大な被害とNATOとの衝突リスク
アンドレイ・ベロウスフ国防長官は、今年ロシア軍がウクライナ領土4000平方キロメートルを「解放」したと説明。ルハンシク、ドネツク、ザポリージャ、ヘルソンの4地域に関して、ウクライナ軍の支配地域はごくわずかだと主張しました。さらに、ウクライナ軍の死傷者数は今年だけで56万人以上、紛争開始からの総兵力損失はほぼ100万人に達すると述べました。公開された資料によると、ウクライナ軍の死傷者数は昨年末の40万5400人から97万5100人に、軍事装備の損失は5万1000台から10万9600台に増加しています。しかし、ロシア軍自身の損失については言及を避けました。西側諸国はロシア軍の死傷者を70万人と推定しています。
ベロウスフ国防長官は、今後10年以内にNATOと軍事衝突する可能性に言及。米国が中・短距離ミサイルを欧州とアジア太平洋地域に配備する計画を発表したことを根拠に、ドイツに配備される米国ミサイルは8分以内にモスクワに到達可能だと指摘しました。
ロシアのミサイル開発と配備計画
プーチン大統領は、西側諸国がロシアを「レッドライン」に追い込んでいると非難し、米国によるミサイル配備計画に対抗して、ロシアもミサイル配備に関する制限を解除すると警告。極超音速中距離弾道ミサイル「オレシニク」などの大量生産が近く確立されると表明しました。ロシアは以前、ウクライナによる米国製長距離ミサイル「ATACMS」でのロシア本土攻撃への報復として、「オレシニク」をウクライナに発射した経緯があります。
ロシアのICBM:世界中に届く射程と防御不能な性能
ロシア戦略ミサイル軍のセルゲイ・カラカイエフ司令官は17日、ロシアのICBMの射程圏外は世界にどこにも存在せず、これを防御できる防空システムもないと発言しました。過去5年間で新型ミサイルシステムを導入し、抑止力を強化したとし、新型ICBMは事実上防空システムで防御不能だと強調しました。また、最大射程距離のミサイル発射試験を計画していることも明らかにしました。ただし、ICBMやSLBM発射の少なくとも24時間前には、米国に発射予定日、場所、弾頭の衝撃範囲などを通知していると付け加えました。
まとめ:ウクライナ紛争と国際情勢の緊迫化
プーチン大統領とロシア国防省の発言は、ウクライナ紛争におけるロシアの強硬な姿勢を改めて示すものです。NATOとの衝突リスクの高まりや、ロシアのICBMに関する最新情報は、国際社会に緊張をもたらしています. 今後の動向に注視していく必要があります。