米ニューヨークを訪問中の安倍晋三首相は23日午後(日本時間24日午前)、国連ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)ハイレベル会合で演説した。演説の全文は次の通り。
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本日、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)に関するこの重要なハイレベル会合の開催のためにご尽力いただいた皆さまに感謝と敬意を表します。UHCフレンズ・グループが立ち上がり、UHCへの機運が高まり、国際的支持を得て本日の会合に至ったことを喜ばしく思います。
日本は、第2次大戦直後の混乱と貧困を乗り越え、1961年に国民皆保険制度を導入し、UHCを達成しました。支払い可能な費用で保健医療サービスを受けることが可能となり、日本の社会経済発展、健康長寿の達成を支えました。この日本の経験に根ざし、私は、これまでも世界の人々にUHCの必要性を広く訴えてきました。
一方、今でも世界の約半分もの人が基礎的保健医療サービスを受けられていません。私は、人間の安全保障の観点からも、世界のUHCの実現を希求します。
日本は、本年、G20(20カ国・地域)大阪サミット(首脳会議)および(第7回)アフリカ開発会議(TICAD7)を開催し、各国首脳とUHCを議論しました。その結論として、次の2点を皆さまと共有したいと思います。
1つ目は、各国政府が政策について責任を持ち、さまざまな援助国・機関の支援を活用しつつ、一貫した政策を推進することです。
日本は、被援助国における人材を養成し、健康保険を拡充します。また、栄養・水・衛生等の分野横断的な取組を後押しします。そのために、民間との連携を促進し、効果・効率を高めます。